俳句の会
ご挨拶
関東同窓会の会員交流促進の一環として、俳人森澄雄に師事された児玉一江さん(62期)に講師をお願いし、2012年(平成24年)8月に俳句同好会「やまびこ句会」が発足、8月10日に第1回句会を開催しました。発足後、会員数は12~15名で推移、通常は、毎月第2金曜日の午後、都内の公共施設で、8~10名の会員の出席の下に句会を開催し、うち年に一、二回は吟行を催しています。各人が小短冊に認めた未発表の当季雑詠の自作句、原則五句を無記名で出句し、出席者が手分けして清記後A3の一覧句表に仕立てます。その句表より5句ずつ互選し、講師の佳作及び選も加えて、得票数の多い句から順に各自選句の背景を述べ、作者の作意を聞いた上で講師がその句を講評して添削する、という手順で進めています。「句会」は難しいものだと危惧する必要はなく、参加者が自由に作句し、推敲し、また参加者同士が感想、意見、拘りや体験などを自由闊達に述べ、やり取りすることで、脳トレ、意思疎通の深化、暮らしの潤いにも繋がり、一つの楽しみとして醸成されてきます。
連絡先:寺西孝昭(64期) TEL:090-3220-8192
メール:terra2-ykh@t07.itscom.net
次回以降の句会予定
- 2024年12月13日 (金) 文京シビックセンター5D
- 2025年 1月10日 (金) 文京シビックセンター5D
活動報告
- 11月句会
- 今回の句会は11月8日に開催され正に立冬でした。しかし立冬とは言え、つい最近まで真夏日が続いていたので冬の季語がなかなか浮かびません。11月に入って上野の森へ散歩に行きました。当日はぽかぽか陽気でした。公園の広場ではヘブンアーティストが自転車乗りの芸をしていました。周囲には沢山の見学者がいて特に外国人の観光客が目立ちました。そして曲芸が終わるたび拍手喝采が大変でした。まさにその情景が今回の句で「小春日や大道芸に人集り」が素直にできました。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 10月句会
- 今年の十月の句会は久々参加する事が出来ました。私は業務の為に中途退出となりましたが、皆様のお顔を拝見する事が出来、それだけでも充実の時間ではありました。
暑い日々の中にも秋が到来し、虫の声もいつのまにか途切れてしまいました。爽やかな秋を感じ楽しんで今年の秋を過ごしたいと思います。
今月の句はこちらです。 砂子澤芙紗(上田染谷が丘高校出身)
- 9月句会
- ― 基本をみつめる。―
やまびこ句会も回を重ね、135回目になりました。
先生が、前回の休みから復帰され、いつもの句会が戻りました。
さて、わが身に転じれば句歴は重なってきましたが、一進一退が続いています。
『NHK俳句』を読んでいて、「わかりやすさは句の命」という言葉に出会いました。わかりやすい句は「言葉の置き方が」がきちんとなされているとします。まず、第一歩、三句切れの解消から始めよとします。俳句は五七五の定型であるため、三句がぶつ切れでそれぞれ独立していると、読みづらい上に、句の意味や焦点がぼやけてしまう。そこで、ぶつ切れの三句のうち、二句をつなげることから手をつけなさいとしています。そうして何がどうしたいかを整理するとわかりづらくなくなりますと指針を与えています。
もう一つやはり季語の扱いをあげます。虚子は、花鳥風詠を基とし、自然の中から句材をおおく選んでいます。ここで出番となるのが歳時記です。電子辞書を使うのもいいでしょうが、紙の本をくくり、となりとなりと目を移して行く中で、季節のパノラマが繰り広げられます。例句を読みながら季語の生かし方を学びます。古いようで、これが着実な季語の勉強の道ではありませんか。
ごく基本の「き」の字をたどってみました。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 8月句会
- やまびこ句会ができてから、まる12年になるでしょうか?
第134回句会が、令和6年8月9日に文京区民センターで行われました。出席者は7名でした。(児玉先生、中山さん、砂子澤さんは欠席。児玉先生と中山さんの欠席投句あり。)
常々、児玉先生のご指導がよろしいので、最近は皆様の句力が上がってきております。
これからも頑張って続けて参りたいと思います。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 7月句会
- 連日の猛暑 同窓の皆さんお元気でお過ごしのことと存じます。
6月末に関東同窓会の講演会、総会、懇親会が開催されました。幹部の皆さんは諸物価高騰の折、大変ご苦労様でした。講演会大変勉強になりました。懐かしい顔にお会いできて嬉しく思いました。改めて同窓諸氏の多士済々を認識しました。学生や若い同窓生の皆さんがこの諸先輩を"活用”したら世間がもっと拡がるのではと思うのは私だけではないでしょう。
やまびこ句会は10数名の会ですが、句を見ていただくとお判りでしょうが、多士済々です。毎月第二金曜日が例会ですが、興味のある方是非ご参加ください。俳号を持ち長年研鑽をしている方から、私のような初心者までレベルは様々ですが、感想を出し合い、助言をしてくれますので、大変勉強になります。たった17音の短い言葉の中に込められた意、情景、色や匂いを感じさせられることも…。
若い方のご参加をお待ちしています。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 6月句会
- 私は、東京後楽園で毎月開催される「やまびこ句会」には、群馬県高崎市から、当初は、読書しながらJRの鈍行で通っていました。コロナ後、再開した今は往復新幹線利用ですが、それでも、往復6時間半は掛かるのが悩みです。
でも、児玉先生のご親切なご指導や、4歳以上年長の方々の活発な意見交換を見るに付け、若輩の私は、くだらん愚痴を言わず、喜んで参加しようと考えています。
唯、此の頃、児玉先生から「最近の前歩さんの句は、出来不出来の差が激しいですね。もっと推敲してね。」と言われて、困惑しているところです。更に精進致します。
今月の句はこちらです。 中山前歩(65期)
- 5月句会
- 花の開花が遅かったこともあり今年は春が短かったように感じる。5月になっても暑かったり肌寒い日があったりで不安定な天候が続いている。
句会のメンバーも齢を重ねて健康面でも色々と支障をきたす者が多くなってきており、私も昨年秋に入院・手術を受けた。幸い経過は順調で以前と変わりなく生活出来ている。
先日のニュースで将来65歳以上の6、7人に1人の割合で認知6となる可能性があると報じられていたが、俳句をやっていると毎月色々と材料を見つけて句を創ることに苦労をしているが、案外認知症予防に役立っているかも知れない。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 4月句会
- 上田高校62期の1、2組合同の同級会に参加した。校門前で記念写真を撮ってから、青木村の五島慶太記念館を見学後、小諸の懐古園へ。20名程が集まり、中には60年振りに会った人もいた。
東京ではすでに散ってしまっていた桜が満開で、大変見事な景色を楽しむことができた。
桜咲く古城に集ふ同級生
懐かしき友ゐてさくらさくらかな
ベタな俳句ではあるが、あの美しく咲き満ちた桜を表現することは難しい。しかし、実に楽しく充実した一日であった。
さて、四月のやまびこ句会は幹事がやはり同級会出席の為の欠席で、3名が欠席投句だったので、いつもより少人数の会となった。しかし、春という季節がら全体的には明るく楽しい句座であったように思われる。
俳句は季語という季節の言葉と自身の人生、生き方、思いを取り合わせ、たった十七文字で表現する楽しい作業である。
今月の句はこちらです。 児玉一江(62期)
- 3月句会
- 句会に参加するようになって10年以上が経つ。作者それぞれが、用いるのが得意ないくつかの言葉がある。きっと、それぞれがこれまでの体験の中で会得したものを、自分の内に貯えて更に醸成して来たのだろう。例えば、近頃顔を出したものの中に、薄氷、廃線、全山、日溜、隅、淑気、一病、麗、北窓、空地、鳶、園児、湯宿、交差点、峡、初場所等々があり、これらの言葉を用いた投句があると、ついつい、作者を想像してしまう。全く宛が外れて意外な時もあるが、八割がたは当たっているような気がする。言葉は特定の人固有の持ち物ではないので何故かは定かでない。折に触れ興味を覚える言葉があり、自分も追体験を試みながら、機会があれば使ってみようと思うことがある。こんなことも句会で味わえる秘かな楽しみの一つであろうか。
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 2月句会
- 句会は、節分のほぼ1週間後であったが、春の到来を寿ぐ句は殆ど見受けられず、先月起こった能登地震の早期復興を願う句が数多くみられた。又大谷翔平寄贈のグラブ、「琴の若」の活躍、流氷に閉じ込められたシャチなど時事モノも目立った。私自身は、3日前受けた手術の際の全身麻酔が、生まれて初めての経験で、その震える心境を句とした。
今月の句はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 1月句会
- 令和6年の新年の句会が1月12日に開催されました。
私も初日に向かって今年1年が平和で平穏であることを祈りました。しかし、元旦には能登半島の大地震、2日には日航機の大事故と悲惨な幕開けとなりました。それでも今後に期待するものです。
今回は新春の句会なので季語が限定されます。そこで私は「余白には日々楽しくと書く賀状」と作句しました。この年になると1日1日をできるだけ楽しくまた楽しくなるように生活しましょうとの意味を込めています。
本年も俳句作りを楽しみます。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 12月句会
- 師走を迎えいよいよ本年最後の句会となりました。
参加者は8名、投句者1名での会となりました。会場は文京シビックセンター5階でした。
小春日和が続くまことに暖かな日になりました。私は開始前に26階の展望台へ上がってみました。西を見ますと眼下には小石川後楽園の紅葉、黄葉、そして中央大学、さらに拙宅のあった早稲田大学付近が見渡せます。あの辺りには30年余りも住いしたのでした。今年の初夏にすっかりと上田に転居し、今回も前日に上田より通っております。
これからも児玉先生はじめ句友の皆様とのご縁のもと「やまびこ句会」に集いたいと思っております。
今月の句はこちらです。 砂子澤敏子(上田染谷が丘高校卒)
- 11月句会
- やまびこ句会も回を重ね、125回目になりました。俳句誌にも句会に出て、選を得て、力をつけていくことが多く語られています。
7月に亡くなられた岡さんは、句会を楽しみにされており、「句会があるというだけであたたかし」を残しています。
句会にまつわる話が、NHK俳句11月号にありました。
中村草田男に「降る雪や明治は遠くなりにけり」の句があります。この句が、句会では虚子の選に漏れてしまったとのこと。しかし、句会後のエレベーターで二人が顔を合わせた時、虚子先生は草田男に「あの句は矢張り採っておこう」と言われ選に追加されたというのです。その後、この句は草田男の句集に収められ、話題の句になった由。もし、エレベーターで二人が会わなかったら、没になっていたかも知れないと書いています。
やまびこ句会では、40句ほどが一覧されます。 一点でも選を得られれば、まず成果です。複数点が入れば、頭一つ出たことになります。選に漏れても、先生の朱がはいって、名句に転じる時は、次への糧(かて)となります。この繰り返しでやってきています。秋の句会は句材が多いので力作が並びます。
はや、シーズンは冬に向かいます。歳時記を読んだり、秀句にあたったり、次の句会のヒントを集めています。こういう積み重ねがまた句会の楽しみです。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 10月句会
- 2023年10月13日(金)のやまびこ句会は文京シビックセンターの5階D会議室で行われた。久しぶりに中山正光さんが高崎から顔を見せた。
常連の荻原さんは欠席だった。8名の句会で賑やかに行われた。
今日の新聞では1面トップは藤井聡太八冠の快挙であった。句会でも吉池さんの句が選に選ばれた。
藤井八冠勝っても謙虚爽やかや
本当に爽やかで謙虚な青年である。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 9月句会
- 関東同窓会やまびこ句会をご覧いただきありがとうございます。
当会は関東同窓会の会員交流の場として結成されています。俳句をなさっている方、興味がある方はどなたでも入会できます。入会金無し。費用は、毎月の例会の会場費を参加者で均等割り(2~300円のみ)。先生は同窓(62期)児玉一江さん。同窓のよしみで講師代をお支払いしていません(受け取ってくれません。ありがたいことです。一般の句会では束脩は数千円。)例会は文京区のシビックセンターか文京区民センター。年2回位は新宿御苑等の庭園へ吟行。上田・鹿教湯温泉、小諸にも出かけたこともあります。
同窓ということもあり、先輩後輩関係なく、感想を自由に語れる楽しい句会です。会員も腕が上がってきて、面白い発想、着眼点の句が出され、大変勉強になります。とにかく自由で楽しい会です。ご興味ある方是非一度句会をのぞいてみませんか。年齢に関係なく大歓迎です。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 8月句会
- コロナ禍を理由に4年近く欠席投句でした。コロナ禍が落ち着いて来たので8月から東京後楽園で開催の句会に参加しようと意気込んでいましたが、開催日前日体調を崩し今回も欠席投句でした。申し訳ありません。
欠席投句は「児玉先生や参加者皆さんの生の意見が聞けない事」と「作者の言訳が出来ない事」ですが、それは仕方ありませんね。
そこで、今回掲載して頂いた句の説明を少しさせて下さい。
元句は「亡き父母の近くなりたるお盆かな」でした。お盆になると昔自宅の玄関先で父母や兄弟姉妹と藁を燃やして「この煙に乗って盆さんおいで!」と言ったのを思い出したからです。しかし、父母は亡くなって20年以上経ち最近信州丸子町の墓参もご無沙汰しているのを鑑み、推敲の結果こういう最終句「亡き父母の遠くなりゆくお盆かな」になりました。
「共感」して頂ければ幸甚と存じます。来月9月は是非句会に参加しようと決意しています。
今月の句はこちらです。 中山前歩(65期)
- 7月句会 岡 清助氏追悼記
- 7月16日(日)、5月句会まで投句を続けて来られた句友・岡 清助氏(37期、103歳)が永眠されました。20日(木)江東区白河の霊巖寺で執り行なわれた通夜に、やまびこ句会より小山、寺西が参列しました。
【岡 清助‐やまびこ句会 直近1年間の投句より12選】
・母の日や勉強しろと言はれずに
・花あやめよき思ひ出の十三橋
・あの頃はまだ若かりし遍路かな
・句会があると言ふことだけであたたかし
・冬木立行けば湯治の宿明り
・紅葉の山の深さにしばし佇つ
・一山の紅葉うながす湯の煙
・鹿教湯てふ名の美しや水の秋
・桑の実がおやつ代わりでありし日よ
・雀さえ居場所を探す土用かな
・湯治場に百二の春を惜しみけり
・店先の紫陽花に人佇めり
《追悼所感》
岡さんは本当にすごい方でした。熱心に俳句に取り組み、私たちに色々教えて下さることもありました。昨秋の鹿教湯での吟行会は、ご一緒に句会を楽しまれとても嬉しそうなお顔をされていたのが印象的でした。好きな俳句を103歳まで楽しまれて、岡さんにとっては大往生の人生だったと思います。(児玉一江・やまびこ句会主宰 62期)
岡さんの訃報に接し哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。(荻原隆治 61期)
大変偉大な先輩でした。ありがとうございました。(吉池貴美 62期)
100歳を超えても俳句への情熱を持ち、元気づけてくださいました。私のふるさと鹿教湯温泉の句をよく出されていました。共感でき、語彙の豊かさにもなるほどと納得させられました。ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。(高梨奉男 62期)
終戦の時、上海にいたので比較的早く内地へ帰れた。当初、木箱の作成をしたが、これからはダンボールの時代だと見抜き、上田梱包工業(株)を設立。社名の上田は故郷の名前を付けた。商才もあった方だと思います。(小山平六 62期)
岡さんは、句会に素晴らしい刺激を与えていただけました。元々は逓信省関連の仕事をされていて、私の職域の先輩でもあり、お歳は亡父や上田中学を出た叔父に極近く身近に感じておりました。まだまだと思っておりましたのに残念です。(栗山正雄 62期)
岡清助さんの見事な人生に、ただただ敬意を表したいと思います。合掌(砂子澤敏子・染谷が丘高校出身)
岡さんの12句の中でも、2月の句「句会があると言ふことだけであたたかし」は、心情がにじむものでした。(小松正佳 64期)
ご逝去のお知らせを承り、痛惜に絶えず、慎んで冥福をお祈りします。最期まで慈悲にあふれた優しい方で、俳句創句の底知れね熱意に感服しておりました。大きな目標を失くしました。残念です。(中山前歩 65期)
端々に年輪を感じさせる句友岡さんとの句会、世代を超え、折に触れ元気を頂いて来ました。句聖の深川芭蕉庵跡近くの白河に生業を営まれつつ、最後まで健吟されました。もう少しお話をお聞きしたかったですね。流石でした。(やまびこ句会書記局・寺西孝昭 64期)
今月の句はこちらです。
- 6月句会
- 今年は夏日が続いたと思ったら雨で急に寒くなるような不順な天候で体調管理も大変である。6月の句会当日も朝は雨であったが句会が開かれる頃には雨も上がった。
句会の講師である児玉さんの俳句の師は森澄雄先生で長年指導を受けられてきた。最近森先生のことを書いてある本を読む機会があった。森先生は「思い出だけで俳句は作れる」っておっしゃったそうである。森先生は早くに奥様を亡くされたそうであるが、思い出と想像で奥様を詠んだ句が沢山あるようだ。
「除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり 森澄雄」
やまびこ句会でも時折配偶者を題材にした句が見受けられるが、森先生のように妻を白鳥のごとと読むような素敵な感覚の句は中々出来ないものである。
最近は治まってきたコロナであるが、この2,3年は旅行等の遠出は暫く出来なかったので、句作も過去の旅行の想い出等が題材となることが多かった。想い出に想像を加えて句作するのであるがそれもまた楽しみかも知れない。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 5月句会
-
五月、立夏を過ぎ我が家の周辺にはどくだみ(十薬)の花が白さを際立たせて咲き誇っている。俳句を作るようになって、どういうわけか十薬に興味を持つようになった。葉を干してどくだみ茶を作る人もいるが、漢方では、解熱や解毒作用があるという。香りはあまり良くないが、見た目が清楚なので、一輪挿しに活けたりするのに丁度良い。我が家の庭には一重だけでなく、八重のドクダミもある。道を歩いているとたまに五弁のドクダミを見つけることもあり、私自身は大変気に入っている。
ところで、「十薬」に関して私の師であった森澄雄の「俳話五十題」という本に、弟子の句を取り上げているので、一句。十薬の夜のくる頃やのり茶漬
この句の「夜のくる頃」とはどういうことを言うんだろう。
「頃」というのは非常にわかりにくい。「十薬に夜のきてをり」ならはっきりわかる。
時刻も見えるし、少し遅れて夜食をとっている気分までわかる。
「くる頃」ではまだ薄明るいのか暗いのかちっともわからない。
もっと俳句は率直にリアルに表現すべきです。
最後に石田波郷氏の一句を、十薬の香の墓に子とあそびをり 石田波郷
この句もごくわかりやすい自然体である。俳句はむずかしく考えず、日々の生活の中で自分の思いを句としてとどめながら、楽しくつづけていきたいものである。
今月の句はこちらです。
児玉一江(62期)
- 4月句会(新宿御苑吟行)
- そこは、眩いばかりの陽光が降り注ぎ、八重桜咲き、緑溢れる庭園だった。学生時代以降、何回か訪れたことのある懐かしい場所だが、久々に訪れた御苑は庭園設計も一新され、周囲に聳える高層ビル群も威容を誇り、当時とはすっかり様相を異にしていた。句会では何度も提案されながら、何故か実現せずに数年が経ち、先生の推奨で、今回、ようやく実現するに至った新宿御苑吟行であった。ハンカチの木やゆりのき等の珍しい樹々にも、インバウンドのエトランジェにも囲まれ、一番元気の良いのは先生であった。吟行とは俳人が生を感じる場なのであろうか。句会ではもう10年以上もお世話になっている先生であるが、吟行をしている時の先生は、例会に増して生き生きとされ、創句にも、指導にも生気漲るのを感じます。事実、初心者ごときが言うのもおかしいが、御苑吟行の次の二句には、並々ならぬものを感じさせられました。
ハンカチの花を見上ぐる車椅子 一江
年重ね学ぶたのしみ啄木忌 一江
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 3月句会
- 漸く、これまで通りの普通の句会に戻った気がします。昨年までは、会場自体がお休みだったり、遠出を気遣っての欠席がめだったり、初挑戦の通信(と言ってもオンラインではなく、メールで)句会に代替になったり等変則的な開催も頻繁でしたが、コロナ禍が収束の気配があり、元に戻りました。季節は春本番、そこにこうした句会の本格的再開ですから、いつにもまして、春の喜びを詠んだ句が多かったような気がします。
今月の句はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 2月句会
- 今回は116回を数えた。10年以上続いたことになる。
2月10日の今回は数日前から都内にも大雪警報が出るなど交通マヒも危惧された。
しかし我がやまびこ句会はいつも通り開催された。それだけ皆さんこの句会を楽しみにしているのだと思われる。
私も1か月間俳句作りに苦心してきた。その割には進歩が見られないのが残念。
それでもどこかに俳句の材料になりそうな物がないか、そんな目を持ちながら歩いていることが楽しい散歩に繋がっている。今後も散歩を続けよう。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 1月句会
- やまびこ句会に参加させていただき、七年も過ぎた事に自分自身驚いております。
児玉先生のご指導により、鑑賞の力は向上したと感じておりますが砂子澤敏子、作句は果たしていかがなものかと思っております。
児玉先生はもとより句友の皆様のお人柄、人生経験を経てのご意見や、そのやりとりが、若輩の私にとりましては素晴らしく、句会に参加することは大いなる喜びです。
私は、昨年三月に故郷上田市中丸子に終の住処を求めました。今は、仕事の都合もあり、新宿区早稲田とおよそ半々の暮らしとなっています。新幹線利用でドアtoドアで2時間半、車ですと、およそ3時間で移動しています。
帰路、碓氷峠を越えると何かホッとし、深呼吸したくなるのは私だけではないことでしょう。遠く浅間山、美ヶ原、烏帽子岳とその奥の菅平はもちろんですが、すぐ近くの名も無き(名はきっと有るのかと。)山々の佇まいにも朝な夕なに感動を覚えております。
これからも、日々の暮らしや故郷への思いも俳句に留めていきたいと願っております。
今月の句はこちらです。 砂子澤敏子〈芙紗〉・染谷丘高出身
- 12月句会
- 『虚子点描』
角川の『俳句』11月号に矢島渚男著『虚子点描』の広告が出ており、図書館に予約して読むことができました。これは、渚男先生が、主宰する俳誌『梟』に毎号1頁の文を『虚子雑談』と題して、順不同に1句ずつ採り上げて書いてきたものが、7年も続いてまとまったものになったので、1冊にしようと年代順に配列して大幅に編集しなおしたというものです。巻末の索引によれば、約300句が収められています。渚男先生による「虚子鑑賞」というものです。
第4章に「小諸時代」をあてています。昭和19年9月から昭和22年10月、虚子70歳から73歳の期間です。小諸疎開は、五女の高木晴子さんが小山平六さんの叔母、両澤せきさんとご主人が同じ日銀勤めで親しく、両澤さんが姉さんに相談し、小山家が尽力してくれることになったという経緯のようです。虚子夫妻と二女の星野立子一家、高木晴子一家も同道し、虚子は心強い移住だったと思われます。
小諸の地で、虚子はよく一人で散歩をしたようです。「防空頭巾をかむり、耳袋をつけて寒い風の吹く路を歩いておりました。」と星野立子は回想しています。虚子は小諸の地を気に入って、土地の人たちとも気軽に交流していた様子が見て取れます。
紅梅や旅人我になつかしく
を残しています。
『小諸雑記』に「30年位住み来った鎌倉の人々よりも、却って3年間の小諸の人々の方に親しみが深いやうな感じさえするのであった。」と記しています。
秋晴れの名残の小諸杖ついて
名残を惜しんでのお別れでした。
虚子の住んだ離れは、後に小山家が小諸市に寄贈し、小諸高浜虚子記念館の横に移築され「虚子庵」となっています。
なお、脱稿後に、会報「うえだ」104号の「同窓生の新刊」の頁で本書が紹介されていることがわかりました。出版社、書籍代など記載されています。ご参照下さい。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 11月句会
- やまびこ句会も今回で113回になります。児玉先生に感謝申し上げます。
今回、選に選ばれた句に先日、有馬温泉に行ったときのものがあります。
六甲のロープウェイや谷紅葉
簡潔に読めた句だと自分でも良い出来だと思います。
選には選ばれませんでしたが、亡き母のことを詠んだ句もあります。
亡き母の声よみがえる月こよひ
母の声が死んでも私の耳の奥に残っております。母は私のことが心配でいまでも側にいてくれるのだなと考えております。ありがたいと思います。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 10月句会〈鹿教湯吟行〉
- 一朶二朶(いちだにだ)送りて雲の秋深む
(句を詠んだ人の名は忘れてしまいました。)
雲の群れの大きいのを朶というのだそうです。いくつもの大きな塊の雲を次々に送って、空を磨きみがきして、雲もその度に美しくなり澄んだ真碧の空にして行く。雲も一層美しくなって行く。このように、雲が秋深むと表現したものです。「一番に磨くと感じた詩的発想に心を打たれて、夜も良く眠れませんでした。」これは、信毎の俳人の肥前あき子さんの句評です。
この度、思はざる場所で久し振りの再会を果たし、感激やるかたなきこと。皆様の熱心な句作を頂いた。そして、その上達を嬉しく、有難く選句しましたが、宜しく。ともかく時間が短いので苦しまれていたようですが、小生も励ましをいつも頂いて申し訳なく、力の限り頑張りたい所存です。
では、また、こんな再会を夢にしてやっていきますが、くれぐれもお体に注意してください。
敬具 十月十九日 鹿教湯にて投函
今月の句はこちらです。 岡 清助・102才(37期)
- 9月句会
- 猛暑は峠を越えたようですが、台風シーズン到来で、ここ数年の台風は「かって経験のない」という表現の雨風を伴うこと多く、加えてコロナ禍の先行きが不透明です。やまびこ句会にも少し影響が出ています。都心へ出ることを控えたり、術後の方の欠席が長引いています。
そんな中10月句会は思い切って上田へ吟行をすることにしました。場所は句友の102歳になる岡 清助さんの定宿鹿教湯温泉。10月中旬はまだ紅葉の真っ盛りとはいかないでしょうが、新鮮な空気と自然の中で(温泉にも入り)新しい感動を得ようという試みです。10月のホームページ掲載句は秋の郷里の句です。同窓会員の皆さんの郷愁を誘う優秀句がつくれたらいいなと思っています。(乞うご期待。)
やまびこ句会では会員募集中。未経験者歓迎です。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 8月句会
- 最近、群馬県の私のゴルフ仲間でもコロナ陽性患者が出て来ました。この「やまびこ句会」でも幹事役の方が同じく陽性患者となり、8月は皆さん集まらず「通信句会」となりました。私自身遠路から通っていて、「電車恐い」と言う勝手な理由でここ3年半以上句会には参加せず「通信句会」でしたが、先輩諸氏も8月は「通信句会」を強いられて、さぞかし残念切歯扼腕であったでしょう。
ところで、俳句のことですが、8月の「通信句会」で私は「夏昼の狙撃事件を知る夕べ」と投句しましたが、誰からも「選句」がなく寂しい気落ちになりました。8月の私が一番衝撃を受けた事件でしたが、「この俳句には感動が無い」と言うことでしょう。児玉先生からも、「ずっと参加せず通信句会を続けていると刺激が弱くなってマンネリ化するので、そろそろ出てきたら良い。」と、お電話で厳しいご指導頂きました。東京で5000人以下/日のコロナ陽性者となったら、参加を考えてみようと思っております。
今月の句はこちらです。 中山前歩(65期)
- 7月句会
- 今年の梅雨は例年になく早く明けたとの報道があった途端、それまでの猛暑から一転曇りや雨の日が続きまだ梅雨は明けていなかったのではと思わせる日々が続いた。
7月の句会は久々に出席者が9名となったが、投句数は欠席者の投句も含めて何時も通り1人4句となった。一時多かった新型コロナやウクライナ侵攻の句も殆ど投句されることが無くなってきた。やはり時流に乗った句は題材としては一過性のものであるようだ。
最近は旅行等外出する機会が少なく句の題材にも苦労しているが、アルバムなどを観ながら句作することも多くなっている。
今月は句会の後に会員の転居祝を兼ねて久々に近くの居酒屋で飲み会を開いた。転居先の故郷の事や趣味の話題等色々と会話が弾んであっという間の2時間であった。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(62期)
- 6月句会
- 今月のやまびこ句会は11名中8名が出席、欠席者も投句しているので、句数は多い。
通信句会と違い顔を見ながらの句会は、各自がコメントに参加、和気藹々で楽しい時間を共有できる。今回は珍しくそれぞれ選んだ句が集中するという結果になった。つまりは、注目を浴びるような良い句があったということになる。8人中6人の選を受けた6点句が二句、他にも4点句など。このように選が集中することはめったにない。とは言え、選に入らない句にも佳句が多く、やはり十年俳句を作ってきた実績かもしれない。
一見どうということのない句が、実は作者にとっては大事な一瞬をとらえてた句であったりする。そしてそれが、日記のようにずっと心に残るようになる。俳句とはそういう意味では人生そのものかもしれない。時には家族のこと、時には自身のこと、友人のこと、又、時には時事問題を取り上げたりで、周囲の何でも五七五で言い止めておくのだ。
俳句は作らなければならないのではなく、五七五の言葉遊びを楽しみながら人生を詠むことと思えば良い。一度この道に足を踏み入れると、不思議にその魅力にはまってしまう。私自身はそう思っている。
今月の句はこちらです。 児玉一江(62期)
- 5月句会
- 子供たちが妻の古稀祝を蓼科でやろうというので、12名・車4台で出掛けた。4月句会で「桜見のランチと洒落てかに御膳」と詠んだところ、たまには奥さんの句も良いのではということで添削を受け、「・・を妻とかに御膳」となった。それではと意気込んで、今回、「妻の古稀祝ふ蓼科わかば風」としたところ、蓼科までは余計だとのことで、「妻の古稀祝うて山のわかば風」になった。調子に乗り過ぎて、前のめりになったかも。
しかし、この小旅行のおかげで、日本アルプス(北・中央・南)全てを一望できるのはここだけという北八ヶ岳ロープウェイのテラスで、単調ながらも「雪残る日本アルプス一望す」と感動を新たにしたこと。また、尖石縄文考古館で、「縄文のビーナス」と双璧を為すという国宝の土偶を知って、「尖石の<仮面の女神>緑雨かな」と詠んで、リアル句会でご披露できたのは心なしか痛快でした。最近、たまたま読んだ原田マハ著「旅屋おかえり」と竹倉史人著「土偶を読む」が、参考になりました。
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 4月句会
- コロナ禍はまだ続いているが、皆が集まっての句会も前回から復活、さらに春が盛りとなり、桜が各所で満開となったので、心持ちのびのびとした句が多かったように思う。ただ東欧で続く悲劇は我々の心にも大きな影響を及ぼし、これに関連した句も多数詠まれた。
会開催は100回を超え、他の方同様ほぼ皆勤の私であるが、作句にはまだまだ迷いが多い、と言うよりなかなか浮かばない。そこで昨今少しばかり作風を変えてみた。その結果か、以前ほど句が浮かばず悩むことは少なくなったが、どうも深みが足りないと自分でも感じる。
まだまだ修行と試行錯誤が続きそうだ。
今月の句はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 3月句会
- 緊急事態・蔓延防止等で丸2年が過ぎました。ようやく見通しがつきつつあるとのことですが。この間殆ど自粛生活で、またこの状態に慣れてきています。従って、行動半径は狭くなり感動する場面も限られています。
しかし、会の皆さんは逞しく近隣を吟行したり、報道等により材料を見つけ、梅、桜、桃等の花又は、時事問題でロシアの侵攻、東日本大地震など多方面にわたる素晴らしいい作句をしています。
また、句会中、横道・脇道へ逸れることも多くこれが楽しい一時でもあります。今日も感動する場面に巡り合いますように。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 2月句会
- 2月11日の句会は、東京の蔓延防止重点措置が解けないので、寺西さんにご苦労いただいて、通信句会になりました。
まだ寒い日が続いていますが、気分的には春の兆しを感じ、季題も豊かになってきました。
私は10月に、CRPという体内にできものが出来たり、組織が壊れたりして炎症が起きる時に反応するたんぱく質が通常0.03 という数字が30を超える驚く数字になり、入院しました。消化器内科であらゆる検査をしましたが、元凶は見つかりませんでした。結局CRPが高い数字だが15位に下がって安定したので、退院となりました。癌を探す検査をしましたが癌はないとの判定が出ました。12月の半ばになって食欲が出てきて、体が軽くなりました。1月13日の検査では、問題のCRPが2.31に下がり、ほかの白血球や貧血症状を起こす数字がことごとく基準値に収まり、2月3日の病院の検査でも良い結果でしたので、通院は放免されました。
このほっとした気持ちを句にしようと、歳時記をあたって、「鬼は外」を見つけました。
『病癒え 「鬼は外」にも 力こめ』をまとめました。
入選句になりました。
入院をとおして、同じ年代の皆さんと連絡を取ると、皆さん何らかの故障を抱えていることがわかりました。あまりくよくよせず恬淡と生きることの大切なことを感じた次第です。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 1月句会
- 一月句会はオミクロン株感染拡大の兆しがあり、医療機関に関与している立場から残念ながら投句にて参加させていただきました。
歴史を振り返りますと分かっているだけでも今回と類似の事態を繰り返し経験し、それぞれ数年かかって人類は乗り越えてきたようです。人口の増加や移動環境の進歩により、収束までには数年かかるのかと。しかしそんな中にあっても自然は変わらずに淡々と静かに感動を与えてくれます。移りゆく季節を感じ、俳句の中に日々を詠めたらと思う次第です。
暮れに「柳宗悦没後60年記念 民藝の100年」を国立近代美術館に訪ねました。上田の農民美術も展示されており我が郷土を誇らしく思いました。二月には句会にリアル参加出来ますことを願いつつ。
今月の句はこちらです。 砂子澤敏子(芙紗・染谷丘高出身)
- 12月句会
- やまびこ句会は毎月1回、第2金曜日の午後開催しております。ご希望の方は是非ご参加ください。
講師は児玉一江先生(62期)です。
最近、作句の難しさを感じております。たとえば、「病院の脇にひっそり石蕗(つは)の花」という句をつくりましたが自分では会心の出来だと思いましたが、例句が多いということで評価がえられませんでした。むずかしいのです。
ところが「訪ね来て古刹の庭の石蕗(つは)の花」(荻原 隆治さんの句)はおなじ 石蕗(つは)の花ですが評価が良いのです。“訪ね来て”という本人の動作が入っているところが良いようなのです。
俳句では動詞を少なくしたほうが良いと教わりました。俳句はむずかしいものだとつくづく思いました。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 11月句会
- たまたま十年も昔のことだが、オーストラリアへ旅をした折、夜のの観光をすることがあり、林道を歩き月の光の明るさに驚いた。帰国後、鹿教湯へ、名月にどうだろうと。やはり、オーストラリアに近い印象を持った。月代からじっくり見ていると、里山から離れる時の大きさ、そして、金色に染めていく里山にも目を見張った。これ迄いかに月との出合いというか、関心というかが無かったことに感慨を深くした。
雪月花という通り、月は春の花、冬の雪と共に日本の四季の美しさを代表する大きな季語のひとつ。昔の人程月の生活が無くなったこともある。しかし、月は生活を深く豊かにしてくれることに間違いはないと思う。
天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも 阿倍仲麻呂
名月をとってくれろと泣く子かな 一茶
俤や姥ひとり泣月の友 芭蕉
月ひとつされどたれにも一つづつ 清助
今月の句はこちらです。 岡 清助(37期)
- 10月例会 早稲田吟行
- 緊急事態宣言が解除されました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
緊急事態が解除され、やまびこ句会も久々に会員集いての句会。今回は句会結成から100回目の記念すべき句会。10時早稲田大学大隈銅像前に集合後、各自大学構内や近くを散策。天気は秋晴れ。会員の元気顔を見て気分も晴れ晴れ。13時に西早稲田のマンション集会室に再集合。各自創句4句を発表。創句の時間は短かったにも拘わらず、素晴らしい句が出そろいました。
ここに掲載をします。(集いての句会はやはり楽しいですね。)ロバートケネディの早稲田大学訪問時の逸話や横山大観、下村観山の日本画を題材とした句、門が無い早稲田大学正門や朱塗り鳥居の穴八幡神社等いかがですか。
皆さんもぜひやまびこ句会に参加してみませんか。毎月第二金曜日13時からが例会です。緊急事態宣言解除されましたが、引き続き感染対策を継続しましょう。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 9月句会
- 将棋の藤井聡太王位棋聖の叡王戦第五番勝負の第5局で9/13に111手目で豊島2冠に勝って僅か19歳で見事三冠になりました。特に感心したのが「金銀歩での怒涛の攻め」でしたが、プロの目から見ると終盤両者持ち時間が1分将棋になってからの103手目で藤井挑戦者が出した「▲9七桂馬」で、この手はコンピューターもプロの棋士も思考が追い付かなかった絶妙手だったそうです。
丁度同じ頃、高校生の対校戦の「第24回俳句甲子園大会」のTV放映がされておりました。各校男女5名ずつに俳句を披露しあい、お互いに彼らの紹介句の選評をしあうものです。その内容が素晴らしかったです。若い感性でこれでもかと怖いもの知らずに挑戦する姿に感動を覚えました。プロの選者が白黒の旗を上げて勝負が付くのですが、甲子園の野球の様に勝っても負けても涙涙でした。
私共の「やまびこ句会」のメンバーは101歳から72歳と彼らの様に若くはありませんが、やる気は負けてはいない心算です。ここ2年近くのコロナ禍で集まっての句会は出来ず所謂「通信句会」と言うテレワークの様な句会ですが参加者は日々成長しているのが良く分かります。皆さん頑張っておられます。
早くコロナ禍が収束から終息して以前の句会に戻って欲しいと祈っております。
今月の句はこちらです。 中山前歩(65期)
- 8月句会
- 色々と問題があったオリンピックも終わり、全国的な天候不順のため大雨被害の頻発した今年の夏、コロナの新規感染者も減るどころか爆発的に増加して医療崩壊も心配されている。そんな中先月は久しぶりに顔を合わせて開かれたやまびこ句会も、今月はまた通信句会になって開催された。やはり句会は皆が集まって色々と意見を言い合いながら、投句者がその句についての思いを語り原句が添削されてより良い句になって行く行程が楽しいのだと思う。
まだ暫くはこの状態が続くと思うけれど、早くコロナが収束して楽しく句会が開催出来るようになることを願っている。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 7月句会
- 「久し振りのやまびこ句会」
コロナ禍にて、ずっとパソコンでの通信句会であったが、殆どの会員が二度のワクチン接種が済んでいたこともあり、今回は会場にて実施することができた。欠席者も何名かあり残念と言えば残念ながら、顔を合わせての会はやはり盛り上がりが違う。
俳句は座の文学なので、この「句座」は俳句を作る者にとって大事な場である。一人で作ってもそれだけではつまらない。その句を見てもらって人に感じてもらうこと、何か意見を言ってもらうことが大切なのである。お互いに思ったことを言い合い、お互いを高め合うことが俳句の楽しみでもあると言えるのだ。
ところで、梅雨の晴間にこのところ虹を見ることがある。先日は大きな虹だった。うっすらと二重に副虹も見えて何だかとてもいいことがありそうな気がして嬉しかった。
「虹」と言えば、夏の季語だが、有名な高浜虚子の俳句に
虹たちて忽ち君の在るごとし
浅間かけて虹のたちたる君知るや
虹消えて忽ち君の無きごとし
これらは戦時中、虚子が小諸に疎開していた時に作ったという句である。これらの句の「君」とは、愛弟子の森田愛子のことであるが、戦後若くして結核で亡くなっている。その愛子、いまわの床より虚子に送った電報が「ニジキエテスデニナケレドアルゴトシ」相聞歌ならぬ相聞句である。
この虚子が小諸に疎開していた時に住んでいた家は今、「虚子記念館」として残されている。そしてその家というのが、会員の小山平六さんのご実家で、虚子に名前を付けて貰ったそうである。やまびこ吟行句会でも一度伺って、虚子の直筆の屏風など見せて頂いたこともいい思い出である。
虹の句からいろいろ思いは尽きないが、俳句は面白い。作りだしたら、やめられない。難しく考えずに「五七五の言葉遊び」と思えば誰でも楽しめる。そして、呆け防止にもなる。
どなたでも始められますよ。入会歓迎。
今月の句はこちらです。 児玉一江(62期)
- 6月句会
- コロナ禍対策として、昨年12月に通信句会を始めてから、久し振りに開催された今年4月のリアル句会を別にすると、今回で6回目の通信句会となりました。事務係をしていると、当然のようにwebや電話でのコンタクトが主となるのですが、リアルでは何気なしにやり過ごしていたことが垣間見え、まったり(?)することがあります。例を挙げれば次のようになりますが、人それぞれの多様な生活スタイル、習性、性癖といったものによるのかも知れません。通信句会も何とか回っているので、それはそれとして受け止め、まっ、いいかっ、、です。
①申し合わせに従い粛々と進む手順。(期待される会員像!)
②気持ち良いぐらい早い、一週間、あるいは、それ以上前の投句。(句表準備には有難い一方、推敲は??)
③当日朝の滑り込み投句。(事務方も、一応、朝のルーチンをこなさにゃ、、!?)
④端的だが、芯を繰っていないか、他の問いの答えは端折った即答。(却って時間がかかる国会の質疑応答??)
⑤経緯や状況はあまり気にしない言動。(経験、過信、誤信??)
⑥知識不全なIT用語。(知らんものは知らん、分からんことは分からんでOK!)
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 5月句会
- 今月は、またまた通信句会に戻ってしまいました。4月には久々に多くのメンバーがマスク越しながら顔を合わせることができ喜んだばかりだったのですが、連休明けには解除もありそうだった措置が延長され、急遽今月も一堂に会することは止めになりました。
来月はワクチン接種が終わるメンバーも何人か出ますので、今月限りとなることを期待したいと思います。
今月の句はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 4月句会
- 今回は、コロナ禍のため、しばらく振りの句会でした。とは言え、蔓延防止等重点措置直前の句会であり、各自が可能な限り防衛処置を取り参加しました。私などは、二重マスクのため少々酸素不足かも、と思う程でした。しかしながら、実際に顔合わせすると実にうれしい。それでも、句会の時間は一時間早く終了して帰途につきました。結果はともかく、懐かしく、楽しい三時間でした。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 3月句会
- 月刊「俳句界」3月号に、「いま俳句とどう生きるか」の連載が載っています。辻桃子氏の登場でした。
緊急事態宣言の中、句会や吟行も自粛され、家籠りになったが、通信句会がふえて、かえって忙しいとのこと。
この句会も、まとめ役の寺西さんの手をわずらわせ、通信句会で乗り切りました。整理された50句に及ぶ発表句を見て、参加者の熱意を感じました。
やはり、春になると、季題も豊かになり、華やかな情景が広がります。
先のインタビューにもどれば、上達の道は「多作多捨」とのこと。また、「多読多憶」も勧めます。私は、後者のたくさんの本を読み、たくさんの人の句を読み、良い句はたくさん覚えるということに王道を見ます。歳時記もていねいに読んで、先人の表現や季語を取り入れていきたいと思います。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 2月句会
- COVID-19緊急事態宣言下となり、今月も残念ながらリアル句会は開催出来ず、WEBにて開催することになりました。幹事の寺西さんには大変お手数をおかけすることになりました。まず、①ひとり2〜5句を投句 ②シャッフルして作成された投句一覧にて選句 ③句友の選句が確定 ④児玉先生により「選」「佳作」、句評を頂く、の順で行われました。
今回の句を拝見し、昨年百寿を迎えられた岡清助さんの若き日の出征、そして従軍での句が、私には深く心に残りました。そのご苦労に頭を垂れ、戦のない平和を守らなければと思った次第です。
今月の句はこちらです。 砂子澤敏子(芙紗・染谷丘高出身)
- 1月句会
- やまびこ句会は平成24年発足以来、9年になります。児玉一江先生にご指導いただき、会員の力は着実に進歩していると思います。句会は月1回第2金曜日午後ですが、最近はコロナ禍のためメールにより投句し、児玉先生の添削をいただいております。
「虚子」先生の思い出(高浜虚子先生についての思い出)を書かせていただきます。虚子先生は、サイパン陥落後の空襲が激しくなった昭和19年9月に小諸の私の生家の近くにある平屋建てに疎開されました。(現在、虚子庵として残存)戦後、昭和22年10月に鎌倉へ帰られるまで約3年間余おられました。
私は、終戦後1週間の昭和20年8月22日に生まれました。疎開中の虚子先生に父(小山栄一)が名前を付けてほしいとお願いしました。最初、「兵六」と書かれた紙をもってこられたようですが「戦争も終わったので「兵」の字はどうも・・・」と父が言うと「平六」と書き直し、再度もってこられたと聞いております。
「平六」の名づけ親は高浜虚子先生です。戦争も終わり六大州が平和になったという意味です。
生家には虚子先生自筆の半切(はんせつ)が幾つか残っておりました。掛け軸に表装した句を以前、兄(小山武一)からもらいました。
「美しきひとや蚕飼の玉襷」(虚子)
気に入っております。
箱書きを高木晴子先生(虚子5女)にお願いしました。「蚕飼 虚子五女」と書いていただきました。この軸は以前、小諸の「市立小諸高浜虚子記念館」に寄贈させていただきました。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 12月句会
- コロナ禍で一年がたち、やまびこ句会も大変だったと思いますが、皆、力を合わせて、この一年の進歩は目をみはるばかりで、ゆくゆくが楽しみです。
さて、来し方を振り返りますと、この歳までこれた奇跡の一つに、戦後もやがて落ち着きかけていた頃、世帯を持ち、長男も生れ、これからという時、昭和二十六年頃だったか、左膝に水が溜り、歩行が困難となり、毎日近くの町医者で水を除き様子をみていたところ、医者に、左脚はもう駄目だから切りませうと言われ、そうなのかと諦めて帰宅した。たまたまお隣の方に訳を話したところ、そこに来ていた親戚の奥さんが、「岡さん、一人の医者の診断ではいけない、もう一人の医者に診てもらうが良い、丁度これから芝の慈恵医大病院へ行くから一緒に。」と言われ同行した。そこでは長く待ったが、ようやく診て貰ったところ、ちょっと難しいので出直して下さいと言われ、ギブスだけして返された。折角遠くから竹竿一本杖で、びっこの中バスを乗り継いで来たのに、と思った。そして、再度、片山先生という方の診察を受けに出向いた。そこで、ベッドに寝かされ脚を曲げると、即座に、ペニシリン五十単位とかを分けて打つように言われた。しかし、遠くて度々来られない事を告げると、近くの医者で打って貰うように言われた。半信半疑の中、続けて行くと、その通りめきめきと快方に向かい、その後、半年余りのマッサージにも来てもらえた。
今では、右脚よりも丈夫になった。後に分かったのですが、片山博士は、世界でも権威を持った方だった。この大恩人に巡り合った奇跡、もしあの時に脚を切っていたと思うと、今でも身震いがする程です、来年も頑張って参りたいと思います。
幾度ぞ奇跡賜り百寿暮るる 清助
今月の句はこちらです。 岡 清助(37期)
- 11月句会
- やまびこ句会に入ってから大分経ちますが、最近は「良い句を創ろう」と思うことは辞めました。思うがままに感じたことを五七五に書き留める。ただ気を付けることは、「季語はあるか」「一句一唱で欲張らない」「読んでくれる人に情景が判りやすいだろうか」くらいでしょうか。
毎月第二金曜日は句会ですが、その3項を前日に見直してみます。創句段階で良いと思った言葉も、時間をおいて見直すとしっくりしないことが多々あります。毎月の句会には四~五句を提出しますが、先生の指導や仲間の評価を聞くと「ああそういう言い方、言葉や感じ方もあるのか」と大変勉強になります。
原句と句会での指導後の訂正句をノートに書き留めています。先日このノートを読み返してみました。私が俳句の対象に選ぶ事象、自然等がかなり狭い範囲であることに気づきました。もう少し対象を広げてみようかと思う。
俳句をしてみたい人、ベテランの人、入会歓迎します。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 10月句会
- 私は群馬県高崎市在住です。毎月のやまびこ句会は「後楽園」近辺での開催が殆どで私は高崎市から新幹線や鈍行で通って来ましたが、このコロナ禍騒動で3月からずっと欠席し「欠席投句」の状態です。そうしているのは若輩の私だけなので済まなく思いますが、往復4時間も電車の中に閉じ込められることを家族が反対して当分は仕方ないでしょう。一番辛いのは、やまびこ句会での「臨場感を味わえないこと」です。幹事から当日の資料は送られてくるのですが、「私はこういう事を言いたかった」との弁明も出来ず苛々は募ります。もう少しの辛抱でしょうか。因みに、今月の私の句は「カーテンがまるく膨らむ秋となり」は『夏までは窓を閉め切ってクーラーを掛けていたが、秋となって涼しくなり窓を開放する様になった所、外から涼しい風が部屋に入ってくる。その時の「カーテンがまるく膨らむ」情景。秋となったと感じている。』それが読者に伝わらない悔しさがありますね。
今月の句はこちらです。 中山正光[前歩](65期)
- 9月句会
- コロナ禍も新感染者が減少しつつあるとは言え、収束にはまだまだ時間が掛かりそうですが、9月のやまびこ句会を以前からの会場である文京区民センター会議室で開催しました。
自粛中で家に籠りがちになり平凡な毎日の繰り返しで句の題材を探すのが難しくなっていますが、それぞれが身近な題材を上手に取り上げて句を創ることに努力しているようです。同窓生,同郷者の集まりであるこの句会は句評の合間にも高校時代や故郷の思い出話が色々と飛び出して他には無い雰囲気の句会になっているのではないかと思います。
早くコロナ禍が収束して御年百歳の大先輩を始め会員全員が顔を揃えて句会が出来るようになれば良いと願います。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 8月句会
- コロナ感染の心配をしながらの句会でしたが、楽しいひとときを共有することができました。
欠席投句を含め44句。まず、最初の句「朝顔やひとり暮しの米をとぐ」に注目しました。分かり易い素直な俳句です。「朝顔」と「米をとぐ」との取合せがなんとも気持ちのよい朝の景酷暑の中、を詠んでいて、作者の実直な暮らしが見えます。この平明さは人によっては「普通過ぎてつまらない句」という意見もあるかもしれませんが、私自身はその平明さがよいと思いました。
次に「羅(うすもの)をはおり棋聖の十七歳」という作品。これは勿論、今評判の藤井聡太七段のこと、このような時事的な話題を作品に取り込むことも、その時代の記録として、その感動を言い留めておくと、後々思い出せるいい俳句と言えます。
もう一句、「新涼や渓流沿ひのレストラン」、この作品はすっきりした秋の涼しさが感じられる佳句です。「新涼」の季語が夏の涼しさとは異なるので、秋の爽やかな山の空気の中、渓流を眺めながらレストランで食事を楽しんでいる作者が想像できます。
句会という「座」では、お互いの俳句を選び評価し合うことも楽しみの一つですが、他の人の佳句に出会える楽しみもあるのです。
やまびこ句会のメンバーはどうやらその俳句の楽しみに完全にはまってきているように思われます。コロナ騒動が終息し、みんなで吟行句会が楽しめる日が早く来ることを願っています。
今月の句はこちらです。 児玉一江(62期)
- 7月句会
- 7月もwith coronaの定例句会となったが、今後も当分の間、同じような状況が続きそうだ。自粛が全面解除となり、再び新規感染者数が増加してはいるが、短期でのcorona絶滅があり得ない以上、細心の注意を払いながら感染防止対策を実行しつつ、前を向いて進むしかあるまい。幸いな事に、会員各位の創句意欲・参加意欲は旺盛で先月と同じ9名の出席がある一方で、諸事情で参加が叶わなかった2名も、欠席投句にて参加して貰うことが出来た。また、今回の句会では児玉講師による「ウ音便について」(学生時代に習った微かな記憶しか・・)の解説と、最長老・岡さんによる前回6月句会の投句全般を俯瞰したコメントとが寄せられ、有意義なインセンティブとなった。今後とも、会員のますますの刻苦勉励が期待される。
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 6月句会
- 今日の定例句会は実に4か月ぶりであった。いつも良く使う会場が閉鎖されていたし、密になる集まりは自粛となっていたからだったが、皆さん待ちに待った再開を喜び、長い外出自粛からの解放感を噛みしめていたようだ。そんな事情も反映し、投句44句の内、実に15句、約3分の一もがが、新コロナに関連し、特にその多くが自宅に籠ったことを題材としたものだった。
今月の句はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 2月句会
- 今回は二月十四日に句会があり季語は春である。しかし春とは言え氷のはる日もある。従って春と言うより冬の季語になり易い。私の句、「初場所や幕尻力士の嬉し泣き」とした。日本中が感動した優勝であった。私は「初場所は」としたが、これは説明的になるので「初場所や」として強調したほうが良い、とのこと。助詞1語の使い方が難しい。勉強になる。
今月の句はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 1月句会
- 『俳句界』1月号に「近代俳句は一茶から始まった?」が特集されています。長谷川櫂氏は、「近代俳句は一茶から始まる」との一文を寄せています。
近代は明治からというのが多くの意見でしょうが、長谷川氏は、近代とは大衆化する時代として捉えます。政治だけでなく、経済、文化、生活など社会のあらゆる分野で大衆化が始まることが近代の指標とみています。この見方ですれば、近代は江戸時代半ば、十八世紀の後半から始まっていたことになります。天明の大飢饉(1782~88)を境にして、社会の大衆化が急激に進んでいきました。
俳句の世界でも俳句人口が急増し、俳句の大衆化が一挙に進みます。古典を知らない庶民も俳句を作るようになります。誰でも参加できる大衆俳句が展開しました。この筆頭にあったのが「一茶」であったと長谷川氏は論じます。
一茶の句の特徴は、わかりやすさにあります。日常語によるわかりやすさと、人間個人の心理を詠みました。一茶はメモ魔でまた大変な読書家でした。日記に『古事記』『政談』『荘子』『詩経』など記録があります。晩年まで古典の抄録や書写を続け、知識欲は衰えていません。句のわかりやすさは、古典を知らない読者がわかるように詠んだ結果でしょう。
岩波新書に『小林一茶 時代を詠んだ俳諧師』があります。折を見て、一茶の周辺をめぐったらどうでしょうか。
今月の句はこちらです。 小松正佳(64期)
- 12月句会
- 令和に改まった2019年最後のやまびこ句会は参加者10名、投句1名でした。
私は染谷丘の出身ですが、平成二十七年六月よりお仲間に加えていただき四年が過ぎました。児玉先生、句友の皆様に心より感謝申し上げます。
俳句を学び季語を知る事で、何気ない暮らしの中で、ふと季節の移ろいを感じる機会が一段と増えました。
白寿を迎える岡清助さんも毎月お元気で投句され、大先輩に習い出来る事ならそのように歳を重ねていきたいと願います。
児玉先生は常に丁寧に添削をご指導くださり、その夜、さらに翌日にもそれぞれの句についてアドバイスをお送りくださいます事は他の句会ではあり得ない事ではと思っています。
今回は会場近くの中華料理店にて引き続き忘年会が催されました。
新年も健康で暮らしの中の美しさを感じつつ過ごしたいと思います。
今月の句はこちらです。 砂子澤敏子(芙紗) 染谷丘高出身
- 11月句会
- 句会のあとで
やまびこ句会は毎月第2金曜日の午後開催されます。句会は17:00で終えますが、その後、有志で後楽園の近くの飲み屋に行き、句会の反省会?を行うことが恒例になっております。
常連は寺西さん、砂子澤さん、小山の3人でいずれも日本酒党です。そのときの雰囲気で、栗山さん、高梨さんなども参加されることもあります。
句会の席では話さないような社会問題、政治の話、回顧話などが話題になり、これはこれでまた楽しいものです。是非、アフター句会の席にもご参加されますことを期待いたします。
なお、最近、ある思い違いに気付きました。高浜虚子の代表句に、「流れ行く大根の葉の早さかな」があります。てっきり、この句は小諸に疎開中の句であると早合点しておりました。というのも、小諸の私の生家には小さな流れの早い川がありまして大根の収穫時期になりますと、近所のおばさん達が川で大根を洗い、沢庵に漬けます。そのとき、葉っぱが千切れて流れてくることがあり、この句にピッタリの光景を知っておりました。虚子もこれを見て作ったものと思っておりました。
ところが最近読んだ俳句の本「ここが知りたい! 俳句入門 上達のための18か条」小川軽舟(著)に、この句は世田谷の九品仏での吟行句であるとありました。「なーんだ、小諸ではなかったのか」と、残念でした。
今月の句はこちらです。 小山平六(62期)
- 10月句会
- 秩父三十四札所巡り
私の思い出の一つに秩父三十四札所納経がある。平成12年(2000年)、齢八十を過ぎて一寸遅すぎたが、無事打ち止めを果たすことが出来た。
歩いてと言うことだが、時には路線バスが旨くあれば利用して、外泊はなく、出発はいつもわが家からということだ。したがって、一日に二つか三つ、あるいは四つとその場所によって色々で、ともかく十一日間かゝってしまった。
池袋駅から西武秩父駅まで急行で二時間半、特急で九十分かゝる。週に一回位の割で秋酣(あきたけなわ)の頃から紅葉そして初冬へ、最後は十二月十四日(木)となってしまった。
移りゆく山里の景色を満喫して今迄にはない旅が出来たことを有難く思う。健康と精進と家族の協力がなければ出来なかった。
旅の中でも第二十四番法泉寺が三百十五段、第二十六番円融寺が四百十五段、第三十一番観音院が二百六十五段の立派な石段には大変な思いをした。道しるべがとてもよく整備されていて有難いが、それでも間違ったら大変と幾度訊ねたことか。慌てたのは第二十二番童子堂で雨が降り出してきた。これから一粁(キロ)半ばかり山道を上がろうという矢先、お寺の人が忘れ物の古いビニール傘を呉れたので助かった。二時間程で雨は上がり、この日は歩きづめだった。
昔の遍路みちは減るばかりで淋しい。第三十一番から第三十四番潜水寺までの四つは俄然離れていて、日も短くなったこともあって歩いて一日に二つは無理とのこと、それが思わぬ里人の車で札所から札所へ乗せて貰うことになり一日は楽をしてしまった。最終も辛うじて町営バスの便があり、十二月十四日打ち止めしたときは、ほっとした。
もう真っ暗の中、夕焼けが美しかった。札所の総延長は約百五十粁とある。百回を巡った人も幾人かあると聞いた。
俳句では「遍路」は春の季語であるが、「巡礼」には季節感がなく季語にはなっていない。 (以上、平成十二年の記録です)
今月の句はこちらです。 岡清助(37期)
- 9月句会
- 関東同窓会に会員相互の交流機会として立ち上げられたやまびこ句会。松尾芭蕉、小林一茶、正岡子規、高浜虚子等が俳人であることは知っていても、創句したことも俳句の本を読んだことも無い門外漢が、誘われるままに入会しましたが、最近は「俳句面白いな」と感じるようになりつつあります。
レベルはまだ「才能なし」から「凡人」になった程度と思いますが、年に数度先生や仲間に「いいね」の評をいただく句ができるとなんとうれしいことか。ある事象を表現するに俳句には実に「なるほど」と思わせる単純な言葉が沢山あります。毎月の句会には勉強になることが沢山。 「酷評」をもらうこともありますが、そこは仲間。「こう変えてみたら」の手助けもあります。
俳句を既になさっている方(ご指導下さい)、俳句に興味のある方(面白いですよ)、一度やまびこ句会に顔を出してみませんか。
今月の句はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 8月句会
- 去る6月25日から7月2日まで、大学の寮生活が一緒だった仲間6名で、北海道旅行をした。東京、神奈川から自家用車で参加した人、私は高崎から新幹線で新潟に行き、そこから「ラベンダー」と言う客船で小樽に行き、6日間「小樽、岩見沢、滝川、網走、標津、野付、知床、釧路、帯広、千歳などを経て小樽に戻り、同じ客船で新潟経由で高崎や東京、神奈川などに戻る強行軍の小旅行であった。小樽では母校の学長との面談をしたり、滝川では大学卒後50年振りで友人二人との再会もした。二人はかなりの老人となっていて驚いたが、彼らから見ると私たちもそう映っただろうか。
お互いに、大学生の頃から膨大な時間が各々過ぎて、嬉しいこと悔しいこと悲しいことなど経験して今は妙なわだかまりも消えていたのを今回の小旅行で発見したのも大きな成果だと思った。まだ体が衰えない内の贅沢な北海道旅行で、70歳を過ぎてまた新しい世界が開けているのを実感した旅だった。
今回の旅行で私は俳句を幾つか作り、7月の句会に投句したが、その内の一つは「難解の駅名に会ふ旅文月(ふづき)」だ。児玉先生から「もっと素直に創句をなさったら。北海道に行って難しい駅名に出会ったという感慨ならば、次の様にされたらいいですよ」と言うご評価で、「アイヌ語の駅名多し夏の旅」と言うご指導句になった。私の元句からは「駅名」しか残らなかったが、「本当に素晴らしい句になったな」と感心した次第である。
今月の句はこちらです。 中山前歩(65期)
- 7月句会
- 今回は雨模様と低気温の肌寒い日が続いている今年の梅雨の最中の句会だった。
月1回の句会であるが毎月句を創るのに苦心している。近年は旅行等に出かけることも少なくなって句の材料は身近なものが多くなっている。テレビの旅行番組を見ながら以前行った時のことを思い出して創ることもある。殆どが具象的な句であり、心象を入れようとすると独りよがりになってしまい、詠んだ人に理解されないことが多くなり、その点ではまだまだ未熟だと実感している。
先日の同窓会総会には句会の会員でもある37期の岡清助さんが最年長(99歳)の出席者として紹介された。今月も欠席ながら力作を投句されている。俳句は色々なことに興味を示すことが多いので、何時までも若々しい感性を持ち続けることが出来るのかも知れない。我々も岡さんを見習いたいと思っている。
今月の句はこちらです。 荻原隆治(62期)
- 6月句会
- 足を踏み入れると、中々抜けられないものの一つに「俳句」がある。この五七五の世界は無限の可能性を持ち、各々の自由な発想が、ただ見ただけの写生から、広い空間を生み、時に虚の世界まで広がりを持つ。
たまたま踏み入れたこの世界もはや四十年、俳句の本質とはわかるようでわからない、わかったようでわかっていないのかもしれないが、楽しんでいる。作るだけでなく、句座がいい。誰の句か知らずに他人の句の世界を覗き、好きな句を選ぶ。人によって、「そこがいい」、「そこが気になる」と言い合うことで場が盛り上がる。作者には作者の思いが込められているから、その反応がまた面白い。
やまびこ句会は、いつも和気あいあいで意見が飛び交う。約10名が毎月第2金曜日に集まって楽しく句座を囲んでいるが、頭の体操、脳の活性化にも大いに役立っているだろう。
最後にわが師森澄雄の夏の句を二つ
喜寿にしてわれも男子よ柏餅
早乙女の股間もみどり透きとほる
今月の句はこちらです。 児玉一江(62期)
- 5月句会
- 今回は、会場周辺で各個が自由に吟行して句会に投句する、言わば自由吟行となり、私にとっては初めての体験でした。そもそも吟行とは何ぞやと、広辞苑、大辞林、国語辞典等いくつか繰ってみると、大概、詩歌を吟詠しながら歩くこと、又は、和歌や俳句の題材を求めて、景色の良い所や名所・旧跡などに出かけること、とされています。人数の多寡や時機には触れていません。場所が違うと選句に時間がかかるとの声も聞かれました。しかし、同じ場所に皆で出掛けて吟行するにしても、それぞれが別の場所で吟行するにしても、更には、所用や都合により吟行に行けないにしても、その時、同じ季節の中に暮らし、生を成しているのだから、人それぞれの状況の中で行き逢ったり、見つけたりした季語と取り組んだ作句を選句すること自体に無理はないし、全員一緒の吟行やその時の作句にのみ拘る必要はないのだなと感じました。いろんな体験ができるのは楽しみです。
さて、最近、共通の友人が亡くなったのを機に、50年近く会っていない旧友から、句集が送られてきました。某県庁の現役時代に俳句会ができ、定年退職後の現在も通算22年間に渡り活動しており、3年に一度、合同句集を発行してきたのだそうです。今年3月に発行された最新版で、講師を含め20人余の作品とエッセイ、手記などが122ページに渡り掲載されており、なかなか面白い記念誌だなあと思いました。やまびこ句会も7年目に入りましたが、このような試みは如何なものでしょうか。
今月の句はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 4月句会
- 今回は各地で桜が満開だった直ぐ後、全部で 44 句あった投句の内、実に15句と、全体の三分の一が桜を詠んだ句であった。又最新の話題である、新元号「令和」や「ブラックホール」を詠んだ句もあり、大変華やいだ句会となった。同窓生の皆様にも毎回興味深くこの句会模様を見て下さる方が多数いらっしゃるようですが、毎月第二金曜日の午後集まっていますので、是非一度気軽に覗いて見てください。大歓迎です。
4月の会員の句 はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 3月句会
- 今回は欠席者が出て六人になった。私にとっては多くの句を出すことができ幸運であった。最近の出来栄えはあまり良くない。そこで日記の最後に書いたり、カラオケルームで作っている。時間を効率良く使うことも楽しい。今日はかなり良い出来であった。今回感じたこと。季語は最も重要であるが私の場合句の内容とマッチしないことが多い。 毎回学ぶことが多いが次回に反映できない。しかし何よりも仲間と遠慮なく楽しい時間を過ごすことができるひとときである。
3月の会員の句 はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 2月句会
- 世田谷の読書会に出ていますが、そこで、大岡信『日本の詩歌 その骨組みと素肌』を読みました。それは、長く朝日新聞の「折々の歌」を編集してきた著者が「日本の詩歌を鳥瞰して、フランス人を相手に解説したもの」でした。その時、参加者の一人が、「何故和歌は五七五七七なのか」との質問が出ました。私は、「五七五七七は万葉集以前からあった、日本語のリズムだよ」と言って一蹴しました。
『角川俳句』8月号に「定型のちから」という特集がありました。我が意を得たりの感を持ちました。ここでは、高濱虚子は『俳句の作りよう』で、「兎に角、十七字を並べて見る事」を筆頭に据え、石田波郷も「一番に大切なのは、十七字という定型である」 と俳句定型観を述べているのを挙げています。私は、この上に音声で捉えるという意味も考えたいと思います。兎角、紙面での字面を追っての句作に耽りがちですが、声に出して、読んでみる。すると、また言葉の躍動が句の拡がりがどうかの判断になるでしょう。自由律という派もあるでしょうが、まず型を纏めて研鑚するのが王道と思います。
2月の初めに、小学校の同級会の案内がありました。宮大工になっている同級生が昨年長野県の現代の名工に選ばれたお祝いを開きたいとのこと。この冒頭に下記の句が冠されていました。
梅の香に 追いもどさるる寒さかな 芭蕉
幹事の上手い取り扱いに、この名句を改めて読み直しました。
2月の会員の句 はこちらです。 小松正佳(64期)
- 1月句会
- 平成最後の初句会は旧肥後細川家下屋敷「松聲閣」にて開催。庭園には雪吊りの松もあり、冬の風情を感じる会場でした。
児玉先生、参加者七名、投句者二名で各自五句出しにて、新年そして年末の五十句にての句会となりました。
最年長(98才)岡清助さんの作句には、同胞が他界された寂寥感があり、また初詣や賀状の句などなど・・・
私は染谷丘高校の出身ですが、平成二十七年よりお仲間に入れていただいております。上田の高校に通われた皆様との句会は同郷同志の共感に溢れています。 そして、それぞれの句に対する思いを奔放に述べる自由もあり、故郷を感じつつ本当に楽しい句会です。業務や家事都合により毎回出席が叶わない事もあるのですが、会の魅力に惹かれこれからも続けさせていただきたいと願っております。
新年も季節感じつつ、身辺の感動や気づきを五・七・五の短いポエムを楽しみながら、学ばせていただきたいと思っております。
1月の会員の句 はこちらです。 砂子澤敏子 (上田染谷丘高出身)
- 12月句会
- 最近、作句する際の助詞の使い方に難しさを感じています。以前、テレビの俳句講座で、或る先生が助詞の「が、を、は、に、て、も」は避けるべし、とおっしゃておりました。それらを使用すると句が「説明的」になってしまうとのことでした。そのため、これらの助詞を使いたくなるケースでは助詞の「の」で代用きる場合は「の」を使うように考えておりました。
今月の私の投句で「朝食の小鯉甘露煮冬ぬくし」としたのですが、「朝食に鮒の甘露煮冬ぬくし」と添削していただきました。「朝食の」ですと、甘露煮の説明に終わってしまいますが、「朝食に」なら他のおかずや御飯、味噌汁なども風景として見え てくるとの評です。 助詞の使い方は難しですね。
12月の会員の句 はこちらです。 小山平六(62期)
- 10月句会
- 皆さんこんにちは。関東同窓会会員交流会の一つ「やまびこ句会」にようこそ。
俳句は若い人達にも広がりをみせ(高校生の「俳句甲子園」はもう何年になるのでしょうか)、テレビでもNHK「俳句講座」、TBSの「プレバト」は人気番組ですね。同窓会員にも既に俳句をなさっている方は勿論興味をお持ちの方、一度やまびこ句会を覘いてみま せんか。一同大歓迎です。
定例句会(毎月第2金曜)は10月12日に文京区シビックセンターで開催。いつものこ とながら提出された個々の句に、「なるほど、情景が判る。共感出来る」等批評が。今月圧倒的好評を得たのは最高齢者(98歳)の岡清助さん。それも上位3句を独占。私は“才能なし”から“凡人”になったか、それでも辞めず頑張ってます。俳句の面白さ・奥深さ は勿論、仲間が良いから。たまに皆で帰りにカラオケへなんてことも。
10月の会員の句 を掲載します。 髙梨奉男(62期)
- 9月句会
- 最近の「スポーツ界」は大坂なおみ選手のテニス四大大会の一つである「全米オープン」での日本人選手初となる優勝の快挙もありましたが、アメフトから始まった沢山の不祥事、トラブル、パワハラなどの暗いニュースが報じられており、残念至極です。「スポーツ界」だけでなく、「文芸の世界」でも「評価の不公平さ」と言うキナ臭い話題が「茶道、華道、絵画、書道など」でも時たま話題になります。これらは、「作者が分かっていての作品評価」と言う「大いなる矛盾」が根本原因と私は理解しています。
その点、「俳句の世界」は「結社や大新聞での作者が分っての選考」もありますが、「やまびこ句会」などの多くの句会では「作者が分からない様な配慮」をしております点、御理解下さい。各人が短冊に書いて来た俳句を、シャッフルして作者が分からない様にそれらを代筆して、一表に纏めたもので句会が始まります。そのため、例えば先生の句でも一票も入らぬことが時々ありますが、これは参加者の選考のレベルが低いことや感受性が劣ることも原因ですが、「先生は句会には勝負句は出さないんだ」と揶揄する御仁がいて、その真意は分かりません。最近、素直な表現で機知に飛んだ作品には沢山の選者の得票選票が入る様になっている現状を鑑みますと、先生の毎月のご教示ご薫陶が生徒のレベルアップに繋がっていることは確かな様です。「不公平な評価」に飽き飽きされて来た方々は是非「俳句の世界」に参加されることを真にお薦め致します。
今月の作品はこちらです。 中山正光(65期)
- 8月句会
- 今年の夏は例年に増して暑い日が續いています。ここ数年8月は夏休みということで句会は開催していませんでしたが、暫くぶりに8月10日に開催されました。丁度7年前の8月10日に第1回の句会が開催されました。それまで俳句を詠んだことがない会員が大半でしたが、児玉先生の熱心な指導のお蔭でどうにか7年目を迎えることが出来ました。初回の句と比べると最近の句は結構上達してきたと感じられます。これからは我が句会も初心者の集まりという概念から脱却し、益々の上達を目指して頑張って努力したいと思っています。
今月の作品はこちらです。 荻原隆治(61 期)
- 7月句会
- 西日本の豪雨災害で200人以上の死者が出たという大変な最中、前々から計画のやまびこ句会小諸吟行が実施されました。
高濱虚子が戦時中疎開していたという家が「虚子庵」、その横に併設されている高濱虚子記念館で句会をすることになっていました。そもそも、その虚子の疎開先というのがやまびこ句会の小山平六さんの実家であり、「平六」という名も虚子の命名だったそうです。
7月13日10時、現地に7名が集合し、まず、記念館を見学させて頂きました。筆で書かれた屏風や色紙、短冊など、虚子の作品の数々に圧倒されました。高濱虚子という近代俳句の巨匠の句の世界に囲まれて、しばし至福の時を過ごした後、我々は小山さんの案内で、虚子の散歩道をゆっくりと俳句手帳を手に巡りました。
炎暑の中でありながら、のどかな田園風景は心にやすらぎを与えてくれました。凌霄花や立葵、百日草が咲いており、青田の風に夏燕が飛び交っていました。途中、小山家の墓所に行くと、なんと墓石のうしろに虚子の俳句が彫られていたのです。
盆供養彼岸詣りを怠らず
木と人と心通ひて剪定す
また、少し行くと、立派な松の傍らに笠石という句碑があり
秋晴の浅間仰ぎて主客あり
の一句が笠の部分に彫られていて、この里の自然の中にとけこんでいるのです。虚子の散歩道は心の散歩道でした。
心地よい疲れを感じながら、私たちは北国街道の町家レストランで昼食をとり、会場の記念館に戻り、句会となりました。小諸吟行の成果はいかがだったのでしょう。
今月の作品はこちらです。 児玉一江(62期)
- 6月句会
- 6月の掲載句を纏めている今日、2018年6月12日は極めて歴史的な日に当たる事に気づきました。TVを観ると、シンガポールで行われている史上初の米朝首脳会談に先立ち、D.トランプと金正恩が握手をする場面が写っています。世界的にも稀にみる一大事です。俳句に詠むにはなかなか難しい時事ではありますが、他の事象とて思うに任せずろくに詠みこめないのだからと、この機会にチャレンジしてみたくなりました。とは言え、場所は南国シンガポール、季語はどうしたものか、次回は小諸虚子庵での吟行句会なので、果たして、発表し批評を受けるチャンスはあるのか、又、他にも取組む人はいるだろうか、等々、いろいろ思いあぐねてそれなりに愉しんでいる自分を感じています。
今月の作品はこちらです。 寺西孝昭(64 期)
- 5月句会
- 先月は小金井公園にある江戸東京たてもの園に出掛けての吟行だったため、いつもの文京シビックセンター会議室での開催は2ヶ月ぶりであった。
この間に「立夏」があり、今回は若葉や新緑、花々に関する投句が多かった。
今回の投句数は一人四句、私は二日前に訪ねた鎌倉で詠んだものを中心に出したが内一句が、久々の「選」の一句となり、長い間のスランプ状態から抜け出す切っ掛けになりそうで嬉しい。
今月の作品はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 4月句会
- 今回は第61回句会でその前に吟行がありました。
小金井市の江戸東京たてもの園に集合して約2時間園を散策し、俳句を作りました。当日は吉野桜の時期は過ぎていたが、八重桜等が満開であり、それ以外にもいろいろな花が咲き誇り題材にはこと欠きませんでした。その後句会に入り、それぞれが選句、評をしました。私はこのところ不調続きで感性と作句が一致しませんでした。ところが、今日の句会では久しぶりに選が得られ、なんともうれしい一日になりました。その句が今回掲出されたものです。
今月の作品はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 3月句会
- 2月の64期の同級会の席で戸倉の友人から、戸倉の坂井銘醸の資料館にお宝があると聞いて、24日の帰省の折、訪ねました。
まず、戸倉温泉の掘りだしに奔走した坂井量之助の偉業が福澤諭吉の「束縛化翁是開明」の額とともに紹介されます。明治維新の新しい流れに私財を投じて、俺がやらねば誰がやるの気概で対応しています。資料館には、加舎白雄の書簡の展示があり、当時の当主が支援した事情を解説されていました。江戸期の資産家は文化人を温かく迎え、支援した豊かな気持ちが偲ばれます。小布施の高井鴻山の招きで逗留した北斎により残された作品は地元の宝としてお客さんを呼んでいます。
句会席上、加舎白雄は、俳人としての知名度は全国区ではない旨の話が出ました。蕪村も子規が発掘するまで、忘れられていたような存在でしたので、俳句そのものが「座芸」であり、小集団の文藝であるため、ひろがりにくいのかもしれません。世田谷の図書館でも白雄の解説書は見当たりません。別途本を探して足跡を整理したいと思います。
「束縛化翁是開明」:造化の神様を縛り上げてこれを人間のために使いこなすこと、これが文明開化というものだ」 。
今月の作品はこちらです。 小松正佳(64期)
- 2月句会
- 本白根の噴火、大雪、皆既月食そして平昌冬季オリンピックと、世の中は日々目まぐるしく動いております。
今月は春の気配を感じつつ春のおとずれを感ずる句、そして友を偲ぶ思いや、 旅の情景などなど・・・皆様の視点を共感する事が出来ました。そして児玉先生の“こうしたらもっと良いのでは”というご指導にあっという間の4時間でした。
この季節になりますと「天地無私春又帰」(諸橋轍次)が私の心に蘇ります。 ささやかな春を感ずる目と心を持ち続けたいものと思っております。
今月の作品はこちらです。 砂子澤敏子〈芙紗〉(上田染谷丘高校出身)
- 1月句会
- 「やまびこ句会」の名称「やまびこ」は、児玉一江先生のお名前が「こだま」ですので「やまびこ」といいます。俳句は難しいものではなく、言葉の遊びだと教えられましたが、見たこと、感じたことを素直にそのまま言葉にすればよいのですが、それが難しい。先生の添削を見ておりますと、或る言葉を別の言葉にいとも簡単に置き換え、置き換えた表現が大変しっくりきます。語彙を豊富にすることも重要な要素だと最近思うようになりました。
ところで、私の家から歩いて数分のところに「やまびこ酒店」という酒屋さんがあります。 お店の前を通るたびに、なんで「やまびこ酒店」というのか、親近感を覚えるとともに理由を知りたいと思っておりました。あるとき、奥様がタイミングよく、店の前を掃除しておられましたので、思い切って「やまびこ」の由来を尋ねてみました。奥様曰く「うちは山田と言います。店を始めた先代が彦次郎でしたので“やまびこ”にしました」とのことでした。納得。永年の疑問が解消しました。
今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 12月句会
- 関東同窓会では会員相互の親睦を図る目的で、5年前の2012年(平成24年)に「やまびこ句会」を発足させました。早いもので、月1回開催のこの句会はこの12月8日に57回を数えました。終了後、恒例の忘年会をささやかに開催し、談笑の輪が広がりました。
講師の児玉先生には当初から大変ご熱心にご指導いただきましたこと、重ねて感謝御礼申し上げます。今後も児玉先生に継続してお世話になりますが、よろしくお願い申しあげます。
来年から事務局が代わり、寺西孝昭さん(64期)が担当することになりましたのでよろしくお願い申しあげます。
今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 11月句会
- 関東同窓会の会員交流サークル「やまびこ句会」をご案内致します。
俳句に興味のある人が集まり、句会が始ってもう5年になります。 先生は児玉一江先生。毎月第2金曜日午後1時から。文京シビックセンターが主会場。年1回位は季節の良い時を選び吟行。小石川後楽園、古河庭園、浜離宮等に行きました。
毎回10~12名位の会員が参加。持ち寄った各自の句の感想、先生の手直し、句の出来栄えもさることながら、会員の講評(?)が楽しい会です。
5年前俳句のことは何も判らず誘われるままに入会。最近は偶に仲間や先生に褒められることも。(褒められるのは嬉しいものですね。)知らない言葉(日本語)を毎回聞かされ勉強になります。進歩の遅い私ですが、五七五の世界の広がりに驚いております。
テレビの人気番組「プレバト」をご覧になっている方、俳句の奥深さを感じませんか。興味のある方是非一度会をのぞきにお出で下さい。
今月の作品はこちらです。 高梨奉男(62期)
- 10月句会
- 最近、「幼児英語教育の必要性」が論じられておりますが、私は反対です。 私の長い会社生活での経験では「モノの見方、考え方」がしっかりしていて「自分の意見が理路整然と表現できる人」が、仕事が出来て同僚やお客さんから尊敬されておりました。英語力は二の次で、寧ろ「国語力」が必要だと感じています。
世界には英語だけでなく所謂「言語」は一説では3千以上あり、特に英語が重要と言うのも賛同できません。
「国際人として英語コンプレックスの解消をすべき」と言う低レベルの考え方から政治家も、教師も、そして親も早く卒業するべきです。
翻訳機が今後さらに機能改良されれば、翻訳なんて何の苦労も無い世界になるでしょう。
国語力強化のために、小学校と中学校の国語教科書の厚さを今の6倍から10倍に増し、内容にも深みを持たせることを提案します。国内外のすぐれた小説や古典、漢文、詩歌に幼少期から触れさせると共に、論文の書き方の勉強をさせるべきかと思いますが、如何でしょうか。
加えて、「情緒力」の醸成も肝要です。「三つ子の魂百までも」の諺の如く、幼児のうちに「情緒力を付けるための国語力を付けること」を地道にやって欲しいのです。
蛇足ですが、最近、TVでの「プレバト俳句才能ランキング」の視聴率がよく、俳句甲子園大会の盛況や伊藤園「おーいお茶」の新作俳句大会の投句が3百万件を越えて、小学生が多い話等、俳句に関心が集まっていることは大変嬉しいニュースです。俳句創句は「国語力、情緒力」の涵養に大変よいと思っています。また、上田高校関東同窓会の「やまびこ句会」から頭の体操として「大きな刺激」を貰っております。感謝です。
今月の作品はこちらです。 中山前歩(65期)
- 9月句会
- 天候不順だった今年の夏もようやく過ぎて9月になり、久しぶりにカラッと晴れた日に2ヶ月ぶりのやまびこ句会が開催されました。この句会も5年目に入り先生から投句にも可成り上達が見られるとの感想が寄せられていますが、私を含めてもう一度原点に戻って句会の心得を考えてみることも良いかと思います。俳人の長谷川櫂氏は「句会とは自分の作った俳句が果たして自分以外の他人にわかるかどうか、それを試す場である」と言っています。つまり自分だけが理解している句では駄目ということで、その具体的な作業が選句であり、句会とは俳句会ではなく選句会であると言っています。私も選句に関してはまだまだ十分ではないと腐心しています。
最近は皆さん様々な季語や俳句独特の言葉等を使いこなしてきていて、知らない言葉を覚える良い機会にもなっています。
テレビの影響か最近は俳句に関心を持ってきている若い人も増加していると聞いております。少しでも俳句に関心をお持ちの方が居たら、この句会は初心者にとって入り易いと思いますので参加することをお勧めします。
今月の作品はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 7月句会
- 最近、俳句は世界的な流行のようです。日常生活の端々や、旅の想い出の折々に詠む句は、自己満足のモノばかりの私です。
この頃、都合がつかないので、句会を欠席することが多い私ですが、人気のテレビ番組で、夏ちゃん先生の句評と添削の見事さに、「ウー・・」そうくるのか、と感動し、楽しさを味わっております。
景色を詠嘆する句を作る場合、見直して、読み手にもその情景や思いが読み取れるように推敲するのですが、ヤー、なかなか難しく、苦慮し続けております。
それでも、日本の伝統ある文化「俳句」に飽くなき愛情を感じております。「やまびこ句会」に是非ご参加ください。
高校野球われを忘れし炎天下 (由美)
今月の作品はこちらです。 松井由美(62期)
- 6月句会
- 6月の句会参加で、やまびこ句会5年生に入りました。と言っても、相変わらず間口は狭く、奥行きは浅い自詠の駄句に対面し、がっかりすることも間々ありますが、児玉先生の気さくなご指導やメンバーの皆様の力作秀句を糧にして、句作に楽しく汗をかかせて頂いています。
そう言えば、俳句と一緒の時期に始めた太極拳を主題にして、先月の句会に投句した弊句、「万緑の気を取り込みて太極拳」が好評を頂いたことは、小生にとり、いろんな意味で快哉でした。
尤も、今月はそんな訳には行きませんでしたが、また、次回に向けて準備を進めたいと思っています。
今月の作品はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 5月句会
- 関東同窓会で「俳句同好会」をというお話がでて、たまたま30年ほど俳句を続けている私がかかわらせて頂くことになりました。月一回で、すでに50回を超えたようです。
初めは、「季語を入れ、言葉を五七五で」とだけ申し上げたように思いますが、会員の皆様は大変熱心で、びっくりするほどの上達ぶり、さすが上田高校OBと驚いています。
今では、染谷高校OBの砂子澤さんや97歳(37期)の岡清助さんも杖をつきながら参加してくださり、何よりみんな楽しみながら、俳句を作ったり、他の人の俳句を鑑賞したりして、あっという間に4時間の句座が終わります。
私の人生にとって、俳句はとてもありがたいものでした。なぜなら、俳句を始めたことにより、多くの言葉を覚え、日々を楽しむことができたからです。又、他にもいろいろ得るものがありました。この感動を皆さんにも是非味わっていただきたいと願っています。
今月の作品はこちらです。 児玉一江(62期)
- 4月句会
- やまびこ句会は、平成29年4月14日の開催で、50回目を数えました。
五・七・五の字句に季語を添えて、思いを詰めるという文芸は、芭蕉による方向の確立と、正岡子規による革新と整理により、引き継がれ、国民のすみずみにまで定着してきています。俳句の雑誌を見ると、多くの結社がならび、その活発な活動に驚かされます。
50回という節目で思うことは、芭蕉、一茶がしたように、古典に親しみ、伝統的詩情を吸収し、内包していくことではないでしょうか。名句の持つ余韻とこれが発するリズムを学ぶことが王道のように思われます。
今月の作品はこちらです。 小松正佳(64期)
- 3月句会
- 3月の句会は今年初めての吟行でした。新江戸川公園、松聲閣近辺、関口芭蕉庵、甘泉園公園を巡りました。吟行は公園等を歩きながら作句することですが、私はまだまだ未熟なため、歩きながら短時間に句を作ることは難しいことです。
そこで今回は事前に俳句の本を読み参考になったことがあります。その一つはいろいろな所に目を付けてメモをとる。あとで組み立てる。また、その公園等へ行っていない人にも伝わるものであること等です。これらのことを頭に置きながら約1時間で二カ所の公園等を歩き、句を作りました。これまでの吟行の中では多少なりとも良い俳句になったものと思います。
句会は砂子澤さんのご好意により、近くの砂子澤さんのお宅で行いましたが、広く、立派なお宅でした。ありがとうございました。
今月の作品はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 2月句会
- 句会に参加させていただきますと季節に敏感になります。俳句歳時記は眺めているだけでも季節感を味わうことが出来楽しいものです。
私は最近仕事で中国を訪れることが多いのですが、春節や清明節、中秋節などの行事に触れるとき、陰暦での暮らしの方が実際の気象と合っていて羨ましいと感じます。特に春節などは1月末から2月初めであれば春の光を感じることが出来て迎春にふさわしいのに・・・などと思います。
三月を前に、故郷では雛祭りも月遅れでしていた事や「信州は梅と桜が同じ頃に咲く」と九州から嫁いだ母が言っていたことなども思い出します。
春の兆しが感じられる嬉しいこの頃、これからも季語を味わいつつ季節を感じて暮らしていきたいと思っております。
今月の作品はこちらです。 砂子澤敏子 芙紗 特別会員
- 1月句会
- 相変わらず5句の準備に苦労しています。寒い時期で草花が少なく色彩感に乏しいせいか、加齢による脳の働きのせいか、普段の生活の中で句に繋がる言葉がなかなか出てきません。
そんな中で1月10日に3人目の孫(男子)が生まれました。「新春に生まれし君はわが家族」と詠みましたが、これは比較的スムースに詠めました。やはり心が弾むときには物事が上手く進むようです。この子らが我らの年ごろになった時に世の中が平和でありますように祈っています。
今月の作品はこちらです。 室賀太郎(62期)
- 12月句会
- 早や師走ですが、1年も短く感じます。今回は11名の参加者で、賑やかな句会でした。55句の投句があり、時間が足りず、いくつかの講評は残ってしまいましたが、児玉先生が残りの句評と添削をメールで送ってくださり、いつものことながら感謝申し上げます。
句会の後は後楽園駅ビルの「三宝庵」で忘年会を行いました。
談論風発、話しに花が咲きました。昔は上田城のお堀でスケートをしたそうです。
「この堀でスケートしたる幼き日」(清助)
来年も引き続き、「やまびこ句会」をよろしくお願い申し上げます。
今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 11月句会
- 今月も前月に引き続き、参加者が少なく、8名でした。この時期は旅行や結婚式などの行事が多く、そのため欠席される方が多いと思われます。2名の欠席者の投句も一緒にし、句会では10名分の句評をしました。今月は非常に良い句が多く、掲載した句以外にも、次のような句があり、充実した句会でした。
「願掛けの石の大小冬ぬくし(一江)」
「コトコトと都電にゆられ秋日和(芙紗)」
「冬ぬくし幼と話す妻の声(孝昭)」
「寒風に音の緊急車両かな(孝昭)」
「父逝きし齢となりぬ荻の風(隆治)」
「寄り添ふて家路を急ぐ冬隣(前歩)」
来月は師走。1年の締めとして大勢の会員の皆様のご参加を期待しております。 今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 10月句会
- 毎月第二金曜日に句会が開かれるが、五句作って行かなければならないので、いつも一週間位前から、にわか俳人になる。
近くの公園に出かけ、花壇の花木を眺め、空を見上げ、走り回る子供の姿を見ながら、五七五と指を折ってみる。
美味しい酒を飲んだ時のこと、孫と遊んだ時のこと、田舎に帰省した折のことなど、思い出しながら、五七五と指を折ってみる。
何とか五句ひねり出し、持参する。先生のアドバイスで、語順を変えたり、語尾を変えたり、 同じ意味の言葉でも、別の言葉を使うと、情景に、心情に合う句になる。
奥が深い。
脳の活性化にはもってこいだ。皆様の参加をお待ちしています。
今月の作品はこちらです。 室賀太郎(62期)
- 9月句会
- 既に、62期児玉一江先生と小山平六さんが中心に始められた「やまびこ句会」も5年近くなりました。会場は殆どが東京後楽園駅近くの文京シビックセンター5Fで13時~17時に開催されますので、高崎在住の私は平常「湘南ラインのグリーン車」で行き、帰りは新幹線で戻ります。往復200kmを越えていますので、「大人の休日倶楽部」で三割引き、お得感があります。そんな私は何回か用事で欠席したのですが、児玉一江先生は常に「参加」(先生がいらっしゃらなければ句会にならないのは当然ですが)されて、約4時間のやまびこ句会で殆ど休みを取られることなく参加者の投句した力作(?)50句を熱心に指導してくれます。本当に頭が下がります。ずっと、ご健康で今後ともご指導頂きたいと切に祈っております。
さて、蛇足ですが、約2年前にこのやまびこ句会で私が創った俳句を妻娘の勧めがあり、第26回伊藤園の「おーいお茶新作俳句大賞」に応募しました所、176万の応募句から2千句(60歳以上は100句)の当選句に入り「表彰状・佳作特別賞」が届きました。それを、友人知人に自慢した所、「ペットボトルに掲載したら頂戴ね」と言うだけで「凄いな」とは言ってくれませんでしたが、家族は喜んでくれました。それが、2年後の9月8日の夜、私の当選句が掲載された「ペットボトル20個」が我が家に送られて来ました。掲載されるのに2年も掛るのですね。早速家内と息子娘に報告して、翌日9日開催の「やまびこ句会」にリックサックに10本入れて持参し、やまびこ句会の児玉一江先生初め皆さんに配りご賞味頂きました。児玉先生から「力の抜けた本当にいい句ですね、176万句から選ばれるなんて凄い!」と改めてお褒めのお言葉を頂戴し嬉しくなりました。
≪書斎まで銀杏を炒る匂ひかな≫・・・・前歩作
今月の作品はこちらです。 中山正光(俳号前歩、65期)
- 7月句会
- 関東同窓会の同好会「やまびこ句会」が発足して(2012年(平成24年)8月)、今月で満4年が経ちました。句会は月1回ですが、42回目になりました。
講師の児玉先生が真摯にご指導くださるお陰で、当初に比べると、会員のレベルは格段に上がって参りました。特に最近の進歩には目を瞠るものがあります。
投句数はそのときの参加者数により変動しますが4句~5句です。私自身のことで申しますと、始めの頃は5句用意するのに四苦八苦したのですが、最近は、出来不出来は別にして、なんとか期日までには投句を準備できるようになりました。
句会では良いと思う句を一人5句選択し、その理由などを発表します。 さらに児玉先生が「佳作」・・(ちょと直せば良くなる句)と「選」・・(良い句)とを披露します。「佳作」や「選」に自分の句が選ばれるととても嬉しいものです。そして、選ばれなかった句も含め、時間が許す限り、全員で講評します。
ところで、今月の句会ではいつもの「佳作」、「選」のほかに「特選」が初めて飛び出しました。中山正光さん(65期、俳号前歩)の以下の句です。中山さんは非常に熱心に俳句に取り組まれており、毎回、高崎から新幹線で参加されております。
甲斐の国晴れて全山蝉の声 (前歩)
「甲斐の山々が眼前に見えてくるような、スケールの大きい句で、素晴らしい」という、先生の講評でした。響きも良く、清々しい句だと感嘆いたしました。
今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 6月句会
- 先日の句会の投句に、スポーツジムに行く前に、柏餅で腹ごしらえをしたという拙句がありました。テーブル上にあった桜餅と柏餅のパックが目に留まり、時節柄、柏餅の方をつまんだのですが、出席のどなたにも選ばれることなく、季語の本意に適っていないからであろうとの先生のご指摘を受けた次第です。早速、調べてみると各々が春と夏の季語ではあるものの、その背景・由来は全く異なり、とりわけ、柏餅は江戸時代に端午の節句の供え物として生まれたということを知りました。こうしてみると、俳句一つで、作者の粗末な生活習慣や咀嚼力が図らずも漏れてしまうものなのですね。
今月の作品はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 5月句会
- 今月はいつもより少し参加者が少なかったので、各自5句ずつ披露でき、1句ずつ全ての句を皆で評価し合い、講評いただくことができた。
「鯉のぼり」が偶然3句も出た他、帰郷時や旅を詠ったものも多数あり、皆さんの感動を共有することで今回も住む世界が拡がった気分で、楽しい一時を過ごすこととなった。
今月の作品はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 4月句会
- 今月の句会は4月の初旬でしたので、題材には事欠かない状況でした。卒業、入学さらに花は桜をはじめ、各種の花々が咲き誇っております。
そこで私は千鳥ケ淵の桜を題材に作句しようと考えました。が中々まとまりません。そんなとき熱烈観桜と言う言葉を見つけたので 、「千鳥ケ淵熱烈観桜他国人」 と作りました。漢字のみの句を初めて作りましたが、会員の評価は今一でした。しかし、自分では漢字だけ、少し川柳的な所のこの句が気にいっております。このような句会の楽しみ方を発見したひとときでした。
今月の作品はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 3月句会
- 今回は文京区の新江戸川公園「松聲閣」での開催でした。旧熊本藩細川家下屋敷において学問所として使用されていたとあり、京都嵐山を模して造られた美しい庭園を眺めることの出来る歴史的施設です。私は散歩の折などに立ち寄っていたのですが、面影そのままにリニューアルされており感動でした。
東北大震災から五年目の十一日当日にあたり、九名の参加での会でした。
春寒しという日ではありましたが、春の長閑さ、喜びを詠まれた句も多く、早や花を待つ気持ちでありました。
私は染谷丘(丸子)の出身ですが、時折上田高校関東同窓会報を覗かせていただき句会のレポートも読ませていただいておりました。昨年、県同窓会連合会の折に髙梨会長様はじめとした役員の方々とお話しする機会を得ましたところ、句会へもどうぞとお誘いをいただき参加させていただいております。 お互いの自由な意見交換が素晴らしく、何より全ての句について児玉先生のご指導がいただけるのが有難いことです。
都会に住んでこそ、なおさらに自然を見つめ、共通の故郷を想いつつ、句が作れましたらと思っております。
今月の作品はこちらです。 砂子澤敏子(上田染谷丘高校出身)
- 2月句会
- 1月から、37期(昭和13年卒)95歳の岡清助さんが入会されました。関東同窓会会報で「やまびこ句会」を知ったそうです。お耳が少し遠いようですが、句歴は古いそうで、大きい声で句を発表され、議論に加わっています。
この句会は、育った自然環境が似た同窓生の集まりであり、句の風景や風俗を分かり合えるのは長所です。今回も「蕗味噌」を詠みこんだ句が出ましたが、田舎の名物に思いを馳せ、座が和みました。
参加して3年を過ぎましたが、こういう報告文を書いていると、努力不足に反省させられます。俳句雑誌に「季題を決め集中して作る」というやり方の解説がありました。暦の節気、時季の花、鳥など注意を持って、句材を拾い、歳時記を参考にして作句していきたい。雑誌NHK俳句は、巻頭名句のコーナーの写真がすばらしく、注目しています。又、添削教室では、言葉の砥ぎ方や焦点のあて方に教えられます。
今月の作品はこちらです。 小松正佳(64期)
- 1月句会
- やまびこ句会に入会してから3年半が経ちました。句を読むことの苦しさを実感しつつも、月に一度の句会のための準備は生活の中の一つのリズムのようなものになってきており、ともすれば好きなこと、やりたいことだけをつまみ食いしていた生活に新しい刺激となり、ボケのはなはだしい脳に良い刺激になっているのかなと思う今日この頃です。
読者の皆様のご愛読を感謝申し上げるとともに、句会へのご参加をお待ちしております。
今月の作品はこちらです。 室賀太郎(62期)
- 12月句会
- 俳句の作り方についての蘊蓄
俳句は「有季定型」という一応の決まり事はありますが、殆ど臨機応変でOKということです。「音の調べを良くすることが第一」でその他は余り気にすることはありません。俳句にした時、頭の中で何回も読んでみて、すっきりしていて印象に残る句がいいのでしょう。
余談ですが、他にも沢山の決まり事がありますが、敢えて3点ご紹介します。
(1)定型俳句は通常「五七五で17音」で構成されています。「17文字でない」のです。その「音数の数え方」は意外とご存知ない方が多いですが、次の通りです。
① 小さく書く「や、ゆ、よ」の拗音は上字と一緒に「一音」 (例;初夏、虚子は2音扱い)
② 促音「小さい、つ」は「一音」(例;河童、一茶は3音扱い)
③「ん」は「一音」(例;林檎、花梨、蜻蛉は3音扱い)
④ 長音も「一音」(ボート、コートは3音扱い)
(2)古くから和歌などの韻文では定型五七五音が用いられ耳にすんなり入って来る美しいので調べなので安易に壊してはいけませんが「七五五音」でもOKということです。私の拙い句に「囀りのなか納骨を終へしかな」「万緑の中熊野へ旅たちぬ」等がありますが、これらは「七五五音」となっています。尚、一説には「上句は何音でも構わない」と言う意見もあります。
(3)最後は「俳句特有の言葉」です。これは意外と難しいですが、知ってしまうと楽しいです。
① 牡丹(ぼたん/ぼうたん)
② 日短(ひいみじか/ひみじか)
③ 小さき(ちいさき/ちさき)
⓸ 一日(ひとひ/いちにち)
⑤ 足裏(あうら/あしうら)
⑥ 黙す(もだす/もくす)
⑦ 守る(もる/まもる)
⑧ 大根(だいこ/だいこん)
⑨ 木菟(みみずく/ずく)等です。 他にも、面白いことがありますが、皆さんと一緒に勉強して行きましょう。
今月の作品はこちらです。 中山前歩(65期)
- 11月句会
- 街路樹や公園の木々も次第に色付いて秋真っ盛りの13日に11月の句会が開かれた。俳句の世界では立冬過ぎの当季は冬ということで、今月は半数以上に冬の句が並んだ。「今月も良い句が多いですね」との児玉先生の言葉を聞きながら選句を始めるが、5句を選ぶのに色々と迷って苦労する。いざ披講する段になって再度読み返したり他の人の披講を聞いてみて、この句を選んで失敗だったと思うことが多々あり、まだまだ未熟であると実感する。
今後更に選句眼を磨くことが作句する上でも大切であると思っている。
今月の作品はこちらです。 荻原隆治(61期)
- 10月句会
- 笑いがあり、話題で盛り上がり、あっという間の4時間が過ぎた。主宰の児玉さんから「皆さんお上手になられましたね」と力づけられる一方、添削で自分の句にみるみる磨きがかかるのに驚き、ちょっとしたコツも次第に分かってきた気がする。まだまだ精進しなければ、次はもっと良い句を作ろうと1ヶ月後の次回句会に希望を抱きながら散会した。
今月の作品はこちらです。 栗山正雄(62期)
- 9月句会
- 句会に参加して3年目になりますが、このところ少し弛みが来たのか句作に費やす時間が減っていました。
結果、時間を気にしながら間に合せをするような始末で、闇雲に弄くり回しただけの自家中毒的な句ばかりが目立つようになりました。
これではせっかくの創作活動も胡散臭いものになってしまいます。
気を引き締め直して秋、冬、正月に向かわねばならないと自戒している次第です。
今月の作品はこちらです。 寺西孝昭(64期)
- 8月句会
- 8月は夏休みの旅行やお盆でお出かけのひとが多いため、出席者は8名とすくなめでした。しかし、松井由美さんが久しぶりに参加され、話が弾んだこともあり句会は13:00~17:00まで時間が足りないくらいでした。
なお、先月から砂子澤敏子さん(俳号は芙紗)を新メンバーとしてお迎えしました。上田染谷丘高校のご出身です。斬新な感覚の句を詠まれますので大変参考になりますし、勉強になります。 今月の作品はこちらです。 小山平六(62期)
- 7月句会
- やまびこ句会に参加して早三年目になりますが、なかなかこれはという俳句ができません。自分なりに良い作品ができたと思っても皆さんの批評を聞くと納得するのです。この繰り返しですが、句会のあった翌日からなにかにつけて俳句を考えながら生活できることにほんの少しの幸せを感じるのです。 今月の作品はこちらです。 吉池貴美(62期)
- 6月句会
- 最近、『子規は何を葬ったか』今泉恂之介(新潮選書)をみつけ、俳句の持つ奥深さを思いました。正岡子規は俳句の革新に貢献しましたが、子規が「卑俗陳腐」と天保以降から幕末、明治の俳句を一刀両断した結果、俳句史は100年のブラックホールができてしまったというのです。
著者は、ほんとうにそんなに「だめな時代」だったのか、という疑問から、取り組んでいます。埋もれた資料を発掘し、庶民に広く親しまれ、格の高い作品がつくられていたことを、披露しました。
子規は、宗匠といわれる人たちが、添削料を取って商業主義に堕落している者がいて、こういうところへの批判でもありました。子規の俳句分類は中断し、後継者も、子規の言葉をそのままに受け取り、検証せず「だめな時代」とされた結果でした。
子規の革新に関連して、伊藤松宇という丸子の出身の人物が大きく影響していることを知りました。伊藤は椎の友社という結社に参加しており、ここでの句会は、匿名で句を回覧し互選で選ぶという方式をとっており、子規はこの方式に注目し、これを採用していくことになったようです。
このやり方は、すたれていたのを伊藤が古書からみつけて復活したもののようです。これが新しい流れになったのは、大きな革新でしょう。終章で、俳句は無名の人の作品にも光る作品が生まれるおもしろい文芸だ、と結論しています。
「涼しさや 藁で束ねし 洗い髪」
「富士見ゆる 日の悦びや 稲の花」
森澄雄俳話集に、「物の見えたるひかり、いまだ心に消えざるうちに いひとむべし(芭蕉)」をひいて、作句の極意を書いています。 今月の作品はこちらです。 小松正佳(64期)
- 2月句会
- やまびこ句会で創句を始めてから、早いもので2年半になりました。
最初、季語も何も知らず、五七五の17音で作る短い詩ぐらいの知識でスタートしました。
楽しいかと問われれば、楽しい!と言い切れませんが、四苦八苦して作った句がうまくツボにはまり、先生からお褒めの言葉の一つでも頂戴すると嬉しさがこみ上げ、また頑張ろうという気になります。
退職後のボケ防止の一助との動機もありましたので、上手下手は気にせず頑張って続けたいと思っている今日この頃です。今月の作品はこちらです。 (室賀太郎 62期)
- 1月句会
- あけましておめでとうございます。
関東同窓会ホームページへようこそ。今年もよろしくお願い申し上げます。
冬入り前の長期予報では暖冬ということでしたが、元旦には都心でも雪。寒い冬になりそうです。とはいえ、「冬来りなば春遠からじ」とも言います。俳句世界では、冬の季語に代わって、『新年』の季語(福寿草、薺(なずな)、初日、初空、初浅間、若菜野、達磨市、春着等)が入り、一足早い春が来た気分になってきますから不思議です。「やまびこ句会」が開催されるようになって早1年半。少しづつですが日本の文化の良さや“省略の美学”が判って来ました。たった17文字に感動の情景を落とし込むのは大変ですが、あとで読み返してみますと、その時の情景や出来事が鮮やかに思い出されます。私の場合は俳句らしい俳句でなく、いわば日記代わりの“俳句もどき”ですが、仲間同士の批評も楽しく、また皆さん同郷の仲間ですから、詠まれた句がどの辺りの風景かがわかりやすく、「なるほどなあ。こういう表現もあるんだ。」と勉強になっています。 一度「やまびこ句会」を覘きに来てみませんか。毎月第2金曜日13時から文京区シビックセンター(原則)が活動の場所、年2回位有名庭園での吟行もあります。 - 1月句会(1月9日)の作品はこちらをご覧下さい。 (髙梨奉男 62期)
- 12月句会
- 俳号について
昔、「信子さん」から聞いた話です。彼女は信子と云う名前が余り好きになれなかったのですが、俳句を始めてから、信子という名前を句の後に付けた所、「何と良い名前だ!」、「素晴らしい!」と亡き両親に感謝の念を覚えたということです。 又、近所の80歳を超える老人は【雅風】という俳号を使って句会に参加しておりますが、仲間が彼の為に「句碑」を作って高崎市に寄付し、先日その除幕式がありました。【雅風】の二文字が光っておりました。 私は3年ほど前から【前歩】という俳号です。これは、俳句に凝っている元会社の先輩の俳号が【一歩】であったことを思い出し、勝手に付けたものです。ある時悪友が「お前の俳号をトイレで見たぞ」と云って来たので「何だ?」と問うと「一歩前に!と書いてあるよ」と云われました。それにもめげず、頑張って創句して俳号【前歩】を使っています。 「やまびこ句会」の仲間達も「前歩さん、前歩さん」と可愛がってくれますし、尊敬する児玉先生も「流石、俳人前歩と名乗るだけのことがあるのね」と冗談とも本気ともとれるお褒めのお言葉を頂くこともあり、益々俳句にのめり込んでいる昨今です。 皆さんも「俳号」を作り「やまびこ句会」に参加しませんか。 - 12月句会(12月12日)の作品はこちらをご覧下さい。(中山正光 65期)
- 11月句会
- 今回は、句会での未熟者の冷汗のケースを披露したいと思います。「名の店の列につらなり走り蕎麦」箱根湯本のはつ花の自然薯新そばを題材に作られ、先の句会で頂いた句です。 そば好きの私は、有名そば店の長蛇の列で長時間待たされた挙句の果て、押している時間の中、食する事ができた感激が見事に読まれているとして選びました。 が、その時、迂闊にも、かつ、不覚にも走り蕎麦が新そばのことで秋の季語であることを知りませんでした。歳時記を繰ると、確かに、走り茶(夏)と並び新物を表す季語と記されているではありませんか。 全くのとんちんかんでトホホでしたが、直感で選ばせて頂いたのは怪我の功名だった(?)かも知れません。俳句は奥は深いのに、入口で戸惑っていてはどうする!?ですが、更に修練を積みたいと思います。
- 11月句会(11月21日)の作品はこちらです。(寺西孝昭 64期)
- 10月句会
- うれしいニュースです。加舎白雄224回忌全国俳句大会で中山前歩さんが前回に引き続き、今回も見事入選されました。おめでとうございます。
宮坂静生 先生選 囀りの中納骨を終へしかな 中山前歩
- 女子プロゴルフトーナメントは終盤を迎え、賞金争いからも目を離せませんが、10代~20代の若い選手が次々と現れてくるのも驚きですが、新鮮でもあります。
鈴木愛選手の物おじしない歯切れの良さもいいし、アマチュアでは高校生ながらプロトーナメントで優勝した実力のある勝みなみ選手や、日本女子オープンで3位になった永井花奈選手の冷静な中にも果敢なプレーに好感が持てました。
秋天の下若き女子プロ目白押し
- 10月句会(10月10日)の作品はこちらです。久しぶりに句会のあと集合写真をとりました。(小山平六 62期)
- 9月句会
- 毎月第二金曜日に開催しているやまびこ句会も先月で満2年を迎え、今月は12日に10名が集まりました。毎回各自5句を作ってこなくてはなりませんが、いつも欠席者は殆どなく、それだけ、皆さん学びあり、喜びありのこの月1回の4時間を楽しみにしているようです。今月の作品はこちらです。(栗山正雄 62期)
- 8月句会
- 先月(7月)は台風のため句会を中止しましたので、今月、8月8日(金)は2ケ月ぶりの句会でした。台風の接近が予想される中、11名の方々が出席されました。松井由美さん(62期)が久しぶりに復帰され、また、高崎からの参加者はご自分の菜園で採れたシシトウガラシをご持参くださいました。句会終了後、全員がビールで喉を潤し、暑気払いをしました。今月の作品はこちらです。(小山平六 62期)
- 7月句会
- 7月11日(金)に開催予定でしたが台風8号のため休会となりました。
- 6月句会
- 6月13日(金)は久しぶりの吟行でした。時節がら雨は覚悟しておりましたが、神様のご加護のお陰で、この日は朝から素晴らしい梅雨の晴れ間のお天気に恵まれました。 午前中に六義園(りくぎえん)と旧古河庭園を散策し、午後から近くの滝野川会館で句会でした。写真は旧古河庭園入口です。吟行の作品はこちらです。(小山平六 62期)
- (別件) 会員の髙梨奉男さん(62期)が何と「上田城千本桜俳句大会」に佳作入選されました。会員一同、驚くと同時に大変な励みにしております。 以下髙梨さんからの喜びのメッセージを掲載させていただきます。 『昨日(5月30日)、上田市教育委員会文化振興課からA4の封筒が届きました。何だろう と封を切りました。 「上田城千本桜俳句入選者各位」の文書。「佳作」入選とのこと。ビックリです。次の句が内川伝夫選の佳作でした。 「 散って良しお濠を彩る桜かな 」 4月の句会で中山さんから「投句用紙」を渡され、「ものは試しだ。」と、地中海に行く前に投函したしたのです。(このことはすっかり忘れていたのですから「えっ。なんだこれ?」といった感じでした。) 上田市長賞は選者3氏が、各々特選1句、秀句2句、佳作3句を選んでいました。特選句でも秀句でもありませんから、大したことではないかもしれませんが、本人には大ごとです。(賞状のみ。賞品はありません。) (上田城千本桜俳句会 応募総数633句でした。) 児玉先生の御指導のお陰です。句会仲間の厳しくも温かい励ましのお陰です。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。』(髙梨奉男)
- 6月句会の写真です。
- 5月句会
- 平成24年(2012年)8月に発足した俳句同好会「やまびこ句会」は、ほぼ毎月1回のペースで開催しております。今年5月で20回を数えることになりました。講師の児玉一江先生(62期)の熱心なご指導をいただき、会員諸氏も句作に熱が入って参りました。児玉先生の以外な?一面ですが、先生は大変ご趣味がひろく、俳句とは一見別世界のシャンソンを歌われます。定期演奏会のほか松尾倶楽部の新年会でもその美声を披露されております。 今月の作品はこちらです。(小山平六 62期)
- 4月句会
- 4月のやまびこ句会は11日(金)シビックセンターで開催されました。参加者は丁度10人でした。私は句会には発足当初から参加しています。月一回約4時間の句会は休憩も取らずに続きます。それだけ皆さん興味深くまた、リラックスした雰囲気も良いためでしょうか。私も当日5句持ち寄るため一ヶ月かけて作句します。しかし中々良い句は作れません。ただ、句会に参加するようになって散歩、仕事、旅行等行く先々で俳句になりそうな情景を探すようになりました。句会の中で色々な意見を頂くと、なるほどとうなずいてしまう状態です。進歩の跡が見られない私でも楽しく参加できております。 4月の作品はこちらです。(吉池貴美 62期)
- お鷹の道(国分寺、2014年3月撮影)を添付します。
- 3月句会
- 3月句会は、2月14日の句会が大雪のため中止になった分をあわせて、文京区の男女平等センターに会場をとって開催されました。句会が始まって、一年半です。俳句の雑誌に目をやるようになりました。俳句1月号、今井聖氏の「写生」についての解説は的を得たもので、書きとめてみました。「写生」とは、現実の「風景」を視覚的にあるように写し取ること。または、事柄を「見えるように」写し取ること。また、対象から直接、感得しうる感覚から入って、思いを述べること。この三つを中心とするヴァリエーションが方法の要。基本を押さえて、句作に励みたいと思います。 3月の作品はこちらです。(小松正佳 64期)
- 1月句会
- 今年の初句会は1月10日、穏やかだった松の内から一転して寒波の襲来で良い天気にもかかわらず寒い日になったが10名の参加で開催された。 1年半前、初心者ばかりの集まりで始まった「やまびこ句会」、最初は季語のない句や季節違いの季語が複数ある句などが多く見られた句会であったが、児玉先生の良き指導を得て最近では大分上達し、先生から「今回は良い作品が多いですね」とのお褒めの言葉も頂けるほどになった。 句会は毎月第二金曜日の午後1時から5時までと現役の若い方には参加しにくい時間帯ですが、随時会員の募集をしているので少しでも興味がある方は一度句会に顔を出してみてはいかがでしょうか。 特に現在先生を含め女性が2名だけですので、女性の参加もよろしくお願いします。 1月の作品はこちらです。(荻原隆治 61期)
- 12月句会
- 普段はゴルフ、山登り、旅行などがもっぱらで頭を使わないので、何か脳を使うことをと思い俳句を始めました。 季語がなんたるかも知らぬ状態で、初歩的な本を1冊読んだだけでスタートしたため、いまだに俳句になっているかどうか疑わしいのですが、同期の児玉先生のやさしく懇切丁寧なご指導の下、落ちこぼれず楽しくやっています。 教室は和気藹々としていて楽しいですよ。 吟行の花見や史跡めぐりもあります。 ご興味のある方はどうぞご参加を! 12月の作品はこちらです。(62期 室賀太郎)
- 11月句会
- 「やまびこ句会」の例会が11月8日(金)開催された。今月は『浜離宮』での吟行。幸い小春日和、12人が参会。早い人は10時前には庭園に入り、汐入りの池や吉宗ゆかりの300年松、多数の水鳥等の景を観ながら、また江戸時代に思いをはせて散策、句作り。13時に庭園内「芳梅亭」集合、早速発表、句評をいただく。 句会が始まり1年余、「皆上達したなあ」と実感、併せて難しさも知る。毎月第2金曜が例会。費用は都度2~300円のみ。楽しい句会です。入会をお待ちしています。吟行の作品(自信作)はこちらです。如何でしょうか。 写真は句会の様子です。(62期 髙梨奉男)
- 10月句会
- 毎月の句会は現在平均年齢67歳・10~12名前後の参加者です。自作の句を相互に5句ずつ出し合い、児玉先生と皆さんで約4時間楽しい会話をして時の経つのも忘れます。自分で推敲して自信がある句が誰も推挙せず、先生からお褒めのお言葉も無いことが多々ありますが、それにもめげず皆頑張っています。先生は頭ごなしに「愚作だ」とは決して仰いません。一緒に真剣に考えてくれて「こうすればいい句になるわよ」と秀句に化けるまで御指導下さいます。流石「杉賞」を受賞されているだけのことがあると毎回感心頻りです。(中山前歩(65期))
10月の作品はこちら。
- 9月句会
- 毎回10人程度が集まる句会です。「やまびこ」句会という名前のとおり、句を選び、句について語り合い、先生の講評などで互いに打てば響き合う「山彦」のような楽しい会で、約4時間はアットいう間に過ぎてしまいます。日本語表現の多様さと微妙な違いの奥の深さに驚かされます。脳の体操にはモッテコイの遊びかと思います。皆様も是非ご参加ください。(松井由美(62期))
9月の作品はこちら。
- 5月、6月、7月、8月句会
- 「やまびこ句会」は毎月第二金曜日の午後、都内の文京シビックセンター会議室などで行っております。5月の作品、6月の作品、7月の作品、8月の作品のなかから選びました。写真は8月句会の様子です。11月は浜離宮恩賜庭園にて吟行予定です。
- 4月句会
- 平成25年4月12日に文京シビックセンターにて句会を開催。 「やまびこ句会」は毎月第二金曜日の午後、都内の文京シビックセンター会議室などで行っております。新たに2名の同窓生が仲間に加わり、現在、会員は15名です。初心者の方がほとんどですが、児玉先生にご指導いただきながら真摯に句作に励んでおります。 少しずつではありますが向上していると思います。4月の作品から、一人一句を選びました。先生を囲んだ写真はこちら。
- 2月句会
- 平成25年2月8日に小石川後楽園で吟行開催。 作品